一条工務店の新型トリプルサッシで1000万円も節約できるなんてすご~い!!。。。。????

こんばんは。さすけです。

先日、他の方のブログを拝見していたら、一条工務店の住宅で、新しくトリプルサッシの窓が採用できるようになったというのを拝見しました!

現在の性能に不満はないのですが、新しいものや性能の良い物が採用できるというのはうらやまし~!!^^と思うのです。

 

トリプルサッシで1000万円節約!?

で、どんな性能なんだろうか?と思って調べていたら、

新しい窓を採用して一条工務店の家を建てると1000万円も節約できると書かれていました!!

スゴイ!!


1000万円も節約できるって、一条工務店の家が仮に3000万円としても、1000万円も節約できれば結果的に2000万円で家を買ったのと同じ事になりますよね!!
さらには夢発電で大量にソーラーパネルを搭載して1000万円の売電収益を上げれば合計2000万円!!一条工務店の家が1000万円で建っちゃいます!!

今後電気代も上がっていくでしょうから、1000万円の節約どころかもっと節約になりますね!!
30年間での試算らしいので、年間にして33万円の節約効果です\(^o^)/

いや・・・・


え???

ちょっと待ってくださいよ。

年間33万円の節約??

30年で1000万円の節約??

 

はて??なんかちょっとおかしくない???

だって、私が以前住んでいた家の電気代+ガス代って、真冬や真夏で3万円程度だったように記憶しています。

私達家族は寒がりで暑がりなので、一般に比べても電気代やガス代は高めだったと思います。。。

真冬と真夏以外は月々の電気代+ガス代はせいぜい1.5万円程度でした。。。

と言うことはですよ。1年間の電気代+ガス代がゼロになったとしても33万円に達しないのです。。。年間の電気+ガス代の合計はざっくりで30万円でした。

また、私が実家にいた頃、築20年を経過した実家で支払っていた電気代+ガス代もやっぱり真冬と真夏で3万円くらいでした。。。。

となると、電気代もガス代もゼロになっても年間33万円の節約にはならないのです。

1000万円の節約

なんて書いてありますが、どう考えても胡散臭いです。

どういう理屈で1000万円も節約できると言っているのか?

気になったので調べてみました。

一条工務店は何を持って、1000万円もの金額が節約できると言っているのでしょうか??
カタログを見ていると、根拠となる数値が書かれていました。

ここでも「30年間で一般的な住宅との差は、なんと約1000万円!!」とビックリマーク2つもつけてアピールしています。

で、根拠となる数値もきちんと書いてあります。。。。

一般的な住宅ってなに??

一条工務店の言うところの「一般的な住宅」はQ値が4.20W/㎡・Kの住宅のことのようです。

これ自体は築20年くらいの家であれば、妥当な数値です。
というか、1992年~1999年の間に設定されていた、「新省エネ基準」が求める関東地方のQ値が4.20W/㎡・Kですから、ちょうど築20年くらいのお宅であればこのQ値程度でしょう。根拠も明確ですし、その家を「一般的な住宅」と言うことには問題が無いように思います。

一般的な住宅の電気代は月々10万円~20万円?

上記の図を見ていて多くの方も気が付かれる方も多いと思いますが、おかしな点があります。

「一般的な住宅」の冷暖房費が30年間で1214万円となっています。年間40万円の冷暖房費となっているのです。

トータルの電気代ではなく冷暖房にかかる電気代のみで、ですよ。。

一条工務店の言うところの「一般的な住宅」では、1年間に冷暖房に40万円の費用を掛けている事になります。

財団法人省エネルギーセンターの試算や、新潟大学の研究室の試算によると、一般的な住宅におけるエネルギー消費の割合のうち冷暖房が占める割合は約30%とされています。ということは、一条工務店の言うところの「一般的な住宅」の年間の電気代は単純計算で年間130万円ほどの電気代が掛かっている事になります。
月平均で10万円の電気代の住宅と言うことです。冷暖房の費用が高い家なので、夏場と冬場の月の電気代は20万円程度、春や秋の電気代は5万円程度といった感じでしょうか??


一条工務店さん!質問です。

私の身の回りでは見たことがないのですが、月に10万円も20万円も電気代を払っている家は「一般的な住宅」ですか??

これはどういうことなのか?

嫌みを書きましたが、どう考えても月々の電気代が10万円以上もかかる家は一般的な住宅なわけがありません。

これには、からくりがあります。どういうことかというと、これは一条工務店のi-cubeの年間の電気代を基準に同じ温熱環境を一般的な住宅で実現した場合にかかる費用を逆算した

仮想的な(ありもしない)電気代なのです

先に書いたように、Q値が4.2の家は確かに「一般的な住宅」です。この点は客観的に見ても一般的な住宅と言うことに全く問題はありません。

しかし、Q値4.2の家に全館床暖房を敷設して、i-cubeと同じように1年中室内の温度を一定に保つべく24時間冷暖房をすることはあり得ません。あるとすれば、24時間営業のコンビニなどくらいです。そんな家は全然一般的じゃないのです。

この宣伝用のチラシは明らかに誇大広告です。細かい注意書きを注意深く読んで、しっかりと理解すれば、別に間違ったことが書いてあるわけではありません。

しかし、実際にはそもそも存在しない「一般的な住宅」を想定して、一条工務店の家に住むとあたかも電気代が1000万円も浮くかのように書くことはあきらかに顧客に勘違いをもたらすことを目的としています。なんだったらJAROに訴えられてしまうレベルです

少なくとも、お客さんを欺く行為だし、詐欺的と思います。だってですよ、例えば

「この投資信託は『一般的な投資信託』に比べてお30年間で1000万円も利益が出るんですよ~」

といって、うさんくさい計算を積み重ねた「一般的な投資信託」よりも1000万円も利益がでる投資信託を販売して、実際には1000万円の収益なんて出なければ詐欺で告訴されるでしょう。(投資関係の法律云々は置いておいて)

そのような詐欺行為と一条工務店のこの宣伝の「1000万円の節約」にどのような違いがあるのでしょうか?私にはわかりません。

明らかに顧客の理解をミスリードする悪意ある宣伝と思います。

そもそも一条工務店のメリットにもならないでしょ?

だって、自分自身でちょっと計算したらすぐわかることですし、というか計算しなくても直感的に頭の中に警告音が鳴り響きそうなレベルです。それで、ネットで検索してこのブログを読んだら、一条工務店の「X年間でY百万円もお得」という宣伝は全部嘘だと思われてしまうのではないでしょうか?

特に、一条工務店を選ぶ方の多くが採用されている「夢発電」に対する計算も一気に胡散臭いものに見えてきます。

夢発電も、おそらく現在は全量買取制度で17kW位を標準として、20年の利益(売電額-パネル代金)で1000万くらいになるのではないでしょうか??

で、私は夢発電に関する一条工務店の試算は確認した限り、税金の関係や固定資産税の関係等々細かな認識の相違はありますが、概ね合理的な数字だと思っています。

でも、先のような馬鹿げていて妄想的な試算で「1000万円の節約になる」などということをやっていれば、そういった今までの信用まで失ってしまいかねないと思うのです。

そもそも、一条工務店は「1000万円節約」とか書いておけば、顧客は「すご~い!!1000万円も節約になるなら一条工務店に決めよう!」と思うとでも思っているのでしょうか?顧客を馬鹿にしているのでしょうか??

企業が一度信用を失えば、夢発電も含めて全て信用を失うのです。そもそも、こんな怪しげな広告を出す企業が言うところのQ値だって、C値だって信用できないんじゃないか?と思われます。

一条工務店は多くの「数値」に依存して家の販売戸数を増やしている側面があるように思います。Q値しかり、C値、夢発電の売電金額、その他定量的なデータを示すのが好きですよね。それら全ての「数値」が全て嘘、とまでは言わないまでも、胡散臭い物に見えてくるのです。

顧客を貶め、あげくは自分自身をも傷つけてまでこんな宣伝の仕方をすることになんの意味があるのでしょうか?私には全く理解できません。

私自身は、一条工務店に計算して貰ったQ値の値も自分で計算をやり直して妥当な結果だという認識を持っていますし、C値も現場に立ち会って自分自身でテストもしていますから、ある程度妥当な数値であると思っています。だからこそ、消費税の駆け込みを狙っているとは言え、なぜこれほどまでに馬鹿げた広告を出すのか??そのことを疑問に感じて仕方がありません。

こんなことをやっている限り、真に信用ある大企業にはなれないように思います。
今回の記事は「一条工務店 トラブル・クレームトラコミュ」にも入れておきました。将来にわたってこの記事は読まれることになるでしょう。。。

少なくとも積水ハウスもセキスイハイムも、住友林業もこんな怪しげな宣伝を大っぴらにはしていないのではないでしょうか?一条工務店は何を焦っているのでしょうか?

ネット上に残ったこういった情報は長期にわたって読まれ続けるのです。。。以前書いたセキスイハイムへの批判記事は現在も定常的にアクセスがあります。おそらくこの記事もそうなるでしょう。。。残念ですが、一度世の中に出してしまった情報は取り消せないのです。。。

一条工務店の計算はちょ~単純

ここからは、一条工務店の「1000万円お得」という情報は一旦置いておいて、実際の所どの程度の節約になるのかを試算してみたいと思います。

一条工務店のカタログにあった年間の冷暖房費用の根拠は実は、非常に単純な計算に基づいているのです。

気になる方はご自身で計算していただければと思いますが

30年間の冷暖房費総額(円)=300万円×Q値-706,303円

として計算することができるのです。
Q値4.2の一般的住宅であれば

30年間の冷暖房費総額(円)=300万円×4.2-706,303円 = 12,633,660円

といった具合です。注意点として、上記の計算は全館空調の住宅にしか当てはまりません。というか、当てはめても意味がありません。あくまでi-cubeの電気代ありきの計算になっているのです。

今までのi-cubeと比べていくら節約になるのか?

ここで気になるのは、今までのQ値=0.76 W/㎡・Kのi-cubeと比較していくら電気代の節約になるのか?ということと思います。

上記の数式はi-cube同士、i-smartとi-cubeのように全館床暖房かつ高気密高断熱住宅同士の比較に出あれば、使うことができます。そこで、これまでのi-cubeと新型サッシを搭載したi-cubeの電気代の節約効果を計算してみましょう。

Q値=0.76のi-cubeの30年間の冷暖房費総額は

300万円×0.76-706,303円 = 約157万円

となります。カタログによると新サッシを使った場合はQ値が0.64になり、30年間の冷暖房費総額が126万円になるそうなので、差額は30年間で31万円という計算になります。

年額にして1年間1万円程度の節約になるというのはおそらくそれほど外れてはいないでしょう。

坪あたり3000円程度のオプションとのことなので、40坪の家であれば12万円程度の追加費用が発生します。年間1万円の節約効果を回収するのに12年かかる計算になります。

ただし、これほど低いQ値になってくると、換気扇の稼働状況、玄関の開け閉めやロスガードの性能などの影響が大きく効いてきてしまうため、電気代の節約効果を身をもって感じられるかというと、微妙な気もします。

でもって、さらに。。。。

上記の計算もやや過大評価をしている気がしています。

かなり以前に書いた記事で、i-smartのi-cubeの性能差を比較した記事を書いたことがあります。

当時の計算に基づけば、Q値が0.01変化すると、年間の電気代の節約額は計算上約160円程度となります。今回のケースでは、Q値0.76の従来のi-cubeと新型サッシを搭載したQ値0.64のi-cubeの比較ですから、年間2000円程度の電気代節約に寄与するという計算になります。

ということは30年間の冷暖房の電気代差額は6万円という計算になります。

ただ、実際住んでみると、年間の電気代が18万円では到底済まないので、ざっくり倍と計算しても年額4000円の差額、30年間で12万円の節約効果が得られるという感じかな~と思います

当たり前ですが、どうやって計算しても1000万円には遠く及びません。もう少し言うなら、その節約効果はオプション料金にも達しない可能性も否定できません。。。

じゃあ採用しない方が良い?

一条工務店の1000万円の節約効果はともかくとして、実際もし自分がこれから家を建てるなら、ということであればこのサッシを採用するかと考えてみると、私は採用すると思います^^;;

実物を見たわけではないので(胡散臭い情報が書かれた)カタログベースですが、トリプルサッシ自体は良い物と思えます。

新しいもの好き、というのもありますが、それと同時に結露の問題にもある程度効果が期待できること、またせっかく性能にこだわったなら費用対効果を考えたとき大きく損をすることはないと思うので、採用していると思います^^;

少なくとも1000万円などという誇大な節約効果を期待せずに、結露対策+窓際の快適性向上+防音性能の向上といった性能的な期待をするのであれば、採用はありと思います。というかいいな~と思います^^

1年近く住んで、一条工務店で建てた家は本当に快適です。せっかく良い家を建てているのに、何故こんなバカバカしい広告を作ったんでしょうか??ホント不思議です。1000万円などという、まやかしの数値ではなく、実直で丁寧な説明こそが結果的に一条工務店のためにもなると思いますよ。。。。

蛇足

まあ、思われても仕方が無いとは思うのですが、個人的にはちょっと違うのです。

だって、もし私が本当に一条工務店を攻撃したいなら、今回の件で批判なんてしたりしません。

むしろ、「1000万円も節約できるなんてスゴイ!!一条工務店が言っているんだから間違いない!!」って書けば良いと思うのです。

上記で書いたように、実際には絶対に1000万円の節約になんて繋がらないわけですから、一条工務店の言葉を信じて契約した人が生活をはじめてみれば、「一条工務店が1000万円も節約できるって言ってるから信じて契約したのに、電気代が全然下がらなかった。一条工務店に騙された!!」という怒りの声が出てくると思うのです。

攻撃者の視点で見れば、しめた物です。ここぞとばかりに、一条工務店が宣伝文句で使うあらゆる数値を、「疑わしい」と言って批判する土壌の完成です。

他メーカーの営業であれば、お客さんに今回のチラシを見せて、

「ここだけの話ですが、一条工務店は以前こんなチラシを作っていたんですが、実際はほとんど節約になんて繋がらなかったそうなんですよ~。。。ちょっと一条工務店と言う会社は信用できないですよね。。。夢発電も1000万円の太陽光貯蓄とか言っていますが、実際は。。。そもそも高断熱高気密を売りにしているけれど、その数値もどこまで本当だかわからないですよね。我が社で契約しなくても良いですが、一条工務店はちょっと気をつけた方が良いと思いますよ。」

とたたみ込めば良いと思うのです。

で、今回は実際にトリプルサッシはまだどこにも施工されていないと思うので、そんなことになる前に対応すればまだ間に合うと思うからこそ書いてみた次第です。

ということで、次回は

一条工務店が言うところの夏涼しくて冬暖かい家というのは本当か?

を検証してみたいと思います\(^o^)/

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