こんにちは。さすけです。
e戸建掲示板や2chといった匿名掲示板などで、しばしばみかける一条工務店の住宅性能に関する批判として、
一条工務店のC値測定は石膏ボードを張る前の状態のC値で、養生テープで目張りをしまくったデータなので信用できない!
というものがあります。情報源はともかくとして、確かに建築中にC値を測定したり、目張りなんかをしていて本当に正しいC値を測定できるのだろうか?という疑問は湧いてきます。
で、色々と調べてみた結論から言うと、
一条工務店のC値測定方法は間違っています。。。。
C値の測定方法はJIS規格
C値の測定方法というのはJIS規格によって定められていて、「JIS A 2201:2003 送風機による住宅等の気密性能試験方法」という規格が存在します。
この規格によれば、C値測定に際してはいくつかのルールがあります。特に重要なこと、そして、一条工務店のC値測定がJIS規格上間違えているというのは、上記JIS規格内には「住宅の測定時の建物条件」という規定があります。
気密測定をする際は、「建物の完成状態で測定する」と定められているのです!
一条工務店のC値測定はJISに則っていない!?
我が家の気密測定時の写真をご覧下さい!
この状態。。。完成状態ではありません。。。フローリングも石膏ボードも張られていません。。。
この状態は「完成状態」とは到底言えません。これでは、JISに則らないC値しか測定できないのです!!
よって、一条工務店のC値測定は間違っている!!!
詐欺だ!!
ごまかしだ
嘘つき一条工務店だ!!
( ̄^ ̄)ゞ
こんなC値測定に騙されていたなんて~~(; _ ;)
信じた私が馬鹿でした。。。
カップボードもくれなかったくせに~~!!(←関係ない)
???
(´д`)
???
(゜_゜;)
いや、ちょっと。。。
落ち着きましょうか。。。
一条工務店のC値測定がJ
IS規格に則ったものではない、ということは間違いのない事実です。もしも、一条工務店が「JIS規格に準拠したC値測定を行っています」と言っていたら、それは嘘です。
茶番はこの辺にして、もう少しC値測定について考えてみたいと思います。一条工務店のC値測定はJISに則ったものではありません。しかし、私はそれで良いと思っています。
以下は、一条工務店に確認したわけではなく、私の理解です。
C値測定ってなんのためにするの?
一条工務店が「正しいC値」を測定したいというのであれば、JIS規格に則していない測定方法でC値を測定することは間違えています。
しかし、私達顧客は「正しいC値」などにはあまり興味がありません。私達顧客が注文するのは「快適な家」です。そして、一条工務店は快適な家には高気密が必要と考えていて、高気密を実現するためにC値測定を行っているのだと思います。
そう考えたとき、仮に「JIS規格に則ったC値測定」をされていたらどうでしょうか?
JIS規格に則ったC値測定をするということは、引き渡し寸前の住宅でのC値測定を行うことになります。
そのC値測定で、仮に気密漏れが見つかっても気密漏れのカ所は既に石膏ボードの中であったり、フローリングの下であったりします。
完成状態の家でC値を測定していると、修正するためには石膏ボードを剥がしたり、フローリングを剥がしたりしなくてはいけなくなってしまいます。綺麗に壁紙などが貼られた家でそんなことをされたら大迷惑です。。。。
私の理解では一条工務店が行っているC値測定の目的は、
建築過程で十分なC値を出すことができそうか、そして、より高気密を実現するために修正可能な気密漏れを塞ぐために行われている
のだと思います。
そうであるならば、一条工務店がC値測定を石膏ボードを張る前、フローリングを張る前に行うことは合理的であると言えます。
私達のニーズは「快適な住宅の提供」であって、それを実現するために一条工務店がわざわざJIS規格に則らないC値測定方法を行っていると言うことだろうと思います。
多くの顧客は正しいC値には興味がないため、別にJIS規格に則っていなくてはいけないということは全く無いのだと思います。
換気扇の穴やエアコンダクト等を全部養生テープで埋めていることについて
ただ、少し気になる点として、一条工務店はC値測定の際、換気扇の穴やロスガードの空気穴を全て養生テープで埋めて気密を測定していることです。換気扇などの穴を養生テープで塞ぐのはおかしいのではないか?自分の家の気密は「養生テープで作った気密だ」と思わず批判したくなってしまいます( ・_・;)
しかし、気密測定の際に換気扇の穴などをテープで塞ぐことはJIS規格で定められた方法なのです。
JIS規格によれば、気密測定の際に「テープなどで目張りをしても良い場所」が定められています。「しても良い」などと書かれていると「しなくても良い」と誤解されそうですが、備考欄「空気漏れのないようにする。」と書かれており、現実的には「テープなどで目張りをしなくてはいけない場所」ということになります。
テープで目張りをしなくては行けない場所は、換気扇や屋外へ通じる排水館、集中換気システムの吸排気ダクトの屋外出入り口、などが指定されています。
これらの場所は、いわゆる「計画換気のための穴」であって、気密測定で知りたい、「意図しない気密漏れ」ではないのです。よって、これらの穴は養生テープ等で目張りして「空気漏れのない」状態にしなければ正しいC値を測定することができないことになります。
よって、一条工務店が高い気密を出すために目張りをして数値を操作している分けではないのです^^;;
ただし、気をつけないといけないのはキッチンの換気扇などは「計画換気」であるため、気密測定の対象にはなっていませんが、だからといって、何も対策をしなければ現実的には冷気が入り込んできてしまうので、気密住宅用の換気扇を使用するなどの対策は必要です^^
我が家は室内循環型換気扇にしてしまったので、詳しいことはわかりませんが一条工務店の場合であればおそらくシャッター付きの同時給排気型の換気扇が取り付けられていると思いますから、レンジフードの気密はコントロールされた状態にあると思います。
でも実際のC値はどうなの?
しかし、ここで気になる事があると思います。
じゃあ引き渡しを受けた家のC値はどの程度なの?
と言うことだと思います。「正確なC値が知りたいわけじゃない」とか書いておいて矛盾しますが、やっぱり気になりますよね^^;;
一条工務店のC値測定の意図などは理解できても、我が家で言えば、工事段階でのC値=0.6㎠/㎡でしたが、実際に引き渡しを受けた段階ではC値=3.0㎠/㎡でした、というのでは困ってしまいます。
ちょっと余談ですが。。。
学術論文等に自分の家のデータを使おうとおもったとき、そこに一条工務店に測定してもらったC値を記載したら、それはまずいです。学術論文等に記載するC値はJIS規格に則った形で測定しなければなりません。そうでなければ、他の住宅とのエネルギー消費データの比較など行うことができなくなってしまいます。。。。
と
いうことで。。。(←どういうこと??)
引き渡し後にC値を測定しました\(^o^)/
一条工務店は引き渡し後にC値を測定してくれませんから、他でC値を測定して貰うことになりました\(^o^)/
我が家の正しいC値
↑上の写真はそのときの写真です。畳も張られ、壁紙等も張られていることが分かるかと思います^^測定は一条工務店も使っている気密測定器KNS-5000Cで行いました。
で、引き渡し後のC値はと言うと。。。
C値=0.73㎠/㎡
となりました!
建築中は0.6だったので、C値は少し上がってしまいました。。。
オノレ!!一条工務店め!!謀ったな!!
もうこの下りはいらないですね(゜_゜;)
我が家のC値は建築途中と引き渡し後でC値が約0.1悪化しました。
実はこの理由はわかっていてます。ある種我が家の特殊な事情によるもので、他の家の方には関係ないのでご安心を^^;;
0.13だけC値が上昇したという事ですから、140㎡(我が家の面積)×0.13㎠/㎡=18㎠ほど隙間が広がった計算になります。この数値は我が家の外気に通じる配管の断面積と整合的です。
我が家はサーバルームがあるのですが、ここに約50本ほどの配管が通っています。
そして、これらの配管のうち、5本ほどが外気に開放されています。配管は22ミリ配管を使っているので、その断面積はおおよそ3㎠です。これが5本あるので合計約15㎠となります。もちろん、この配管の穴は塞げば良いのですが、塞いでいませんでした。そして、これは「計画外の気密漏れ」ですから気密を悪化させる要因として捉えられます。
我が家のC値が0.13上昇して生じた約18㎠の穴と非常によく一致します。
ということで、住宅そのものの気密性に関しては、工事中と建設完了後では大きく変化していないと言うことがわかります^^
よって、結論としては、「一条工務店が測定した住宅建築中のC値はその後に開けた穴(配管等)がない限りは引き渡し後のC値とほぼ一致する。」と考えて問題ないようです^^
なので、ちょうど自宅で取得したデータを元に論文を書かなくちゃいけなかったんだよ~、という特殊なケース^^;;を除いては、わざわざ、事後にC値を測定する必要は無さそうです^^
個人的関心
せっかくここまでやったらちょっと気になってくるのは、「経年変化」です。一条工務店の営業さん、監督さんが、様々な局面で「木が動く」と言いますが、木が動けば当然気密に対して影響を及ぼすはずです。
おそらくは、気密を悪化させる方向に動くのではないかと思うのですが、それがいったいどの程度であるのか?というのはよく分かりません。これは今後の課題にしてみたいな~と思っています^^