一条工務店で建てた家の気密は10年後にどうなるの??

こんばんは。さすけです\(^o^)/

昨日は、引き渡し後1年4ヶ月後に我が家の気密を測定したら、建築中には0.6であった気密がたった1年4ヶ月で0.97まで悪化してしまっていることを書きました

本日は、3回の気密測定で得られた数値を基にして、今後10年程度の気密がどうなるのかについて少し考えてみたいと思います\(^o^)/

1年半で生じた気密の劣化

建築中の気密測定結果が0.6、建築後が0.73、そして今回が0.97ですから、気密は確実に悪化していることがわかりました。

見やすくするために、縦軸にC値、横軸に時間をとってグラフにしてみました!

う~ん。。。右肩上がりのグラフですね。。。やっぱり時間と共にC値が悪化して言っていることがわかります^^;;

ただ、初回測定からまだ1年半定度しか立っていませんから、この後どうなるかはよく分かりません。。

そこで3つのパターンを考えてみることにしました。以下のグラフは縦軸がC値、横軸に初回のC値測定年数を0年としたときの経過年数を示しています。

たった3回の測定結果からの推測ですから、あくまでそういうケースがあり得るという程度に考えていただければと思います。

第1パターン「C値が年数に対してゆっくりと変化する場合(対数近似)」

第2パターン「C値が年数に比例して悪化する場合(線形近似)」

第3パターン「C値が加速度的に悪化する場合(指数近似)」

の3パターンを考えました。

第1パターン「C値が年数に対してゆっくりと変化する場合(対数近似)」

青色で示した第一パターンについて考えます。これは個人的な期待を込めたケースですが、C値の変化は建築後数年は一気に悪化するけれど、その後はゆっくりと悪化するというケースです。上図では青色で示したケースになります。この場合、10年後のC値は1.4程度になると予想されます。

第一パターンであれば、10年経っても北海道などの極寒の1地域の次世代省エネ基準値である1.6を上回ることはないことを意味しています^^

このパターンになる可能性として、最初の数年で木材が乾燥することでC値は悪化するけれど、その他の部材の劣化によるC値劣化はないため、数年間のC値悪化さえ乗り切ればその後のC値の悪化速度は鈍化するという予想に基づいたものです。

第2パターン「C値が年数に比例して悪化する場合(線形近似)」

オレンジ色で示した第2パターンは、1年半に生じたC値の悪化速度は鈍化することなく、今後も同様に続いていくという予想です。この場合、10年後のC値は2.5程度まで悪化すると予想されます。

このようなケースになる理由として、気密の劣化要因が木材の乾燥だけではなく、ゴムパッキンなどの劣化など複合的な要因に劣化である場合はこのパターンに近くなるのではないかと思います。

C値が年数に対して比例的に悪化するようなケースでは、建築当初は北海道の次世代省エネ基準も大きく上回るC値だったのが、たった5年で北海道(1地域)の次世代省エネ基準値である1.6を上回り、7年目には東北地方などの2地域の次世代省エネ基準値である1.9も上回ってしまうと予想されます。そして、なんと10年後には私が住む茨城県の省エネ基準値である2.4も上回ってしまいます(; _ 😉

一条工務店の営業さん達が強くアピールするように、次世代省エネ基準値は高断熱高気密と言うにはかなり低いレベルの基準値ですから、自分の住む地域の気密を上回る自体となればすきま風を感じる生活を強いられることになるのではないかと思っています。。。

第3パターン「C値が加速度的に悪化する場合(指数近似)」

最後に、緑色で示した第三パターンです。。。これは個人的には絶対にあって欲しくないパターンです。。。

このパターンでは、年を追うごとに気密の劣化が加速度的に進んでいくというパターンです。

このようなパターンになり得るケースとして考えられるのは、気密の悪化要因が「木材が痩せる」ことによるものよりも、一条工務店が使用している「部材」の劣化が原因となっているようなケースです。

部材の劣化は年数と共に徐々に進んでいきます。特に気密パッキンや窓サッシなどその劣化速度は不明ですが必ず劣化していきます。そのような部材の劣化が要因であれば、家全体で気密は年を追う毎に悪化していってしまいます。

結果的に気密の悪化は加速度的に進んでしまうと言うことも考えられます。この場合、10年後のC値は7程度まで悪化してしまいます。

仮にこのようなケースでも、C値は5を超えた当たりで安定すると思います。ただし、C値が5以上というのは、いわゆる建て売り住宅など、気密のことをほとんど考えていない住宅と同程度のC値になります。

C値が5を超えてしまっては到底高気密住宅とは言えなくなります。また、ここまで気密が悪化した場合は、壁内結露の問題が深刻になってしまうと思われます。

ある意味、加速度的に悪化していくようなことは起こって欲しくないという気持ちもあるため、あり得ないように思いますが、何しろ一条工務店は計測もしていないわけですからその可能性も否定はできません。

C値の悪化パターンとしてどのパターンが最も合理的か?

我が家は引き渡しから1年半も経過していません。。。そのため、今後どうなっていくかについては不明点が多いです。

上記の3パターンも、占い程度のものでしかありません。

個人的な希望も含めて、最初の数年は一条工務店が言うところの「木が痩せる」ことによって気密は悪化するけれど、その後は気密の悪化は起こりにくくなる、すなわち、上記の青いパターンを期待したいところです。。。

しかし、ここで少し気になる事があります。

それは、今回気密の悪化の可能性を考えるきっかけを下さったArataさんのお宅での測定結果です。Arataさんのお宅では建築中のC値測定結果が0.6だったのが、5年後に測定をしたら1.5になっていたとのことでした。

Arataさんのお宅は在来工法のセゾン、我が家は枠組み工法のi-smartという違いを別にすれば、建築当初のC値は我が家とほぼ同じです。

上図の将来予測として最も近いのは、オレンジで示したC値が時間と共に比例的に悪化していくというパターンがもっとも合致度が高くなります。

上のグラフで我が家のC値が比例的に悪化していく場合は、5年後のC値は1.57と予想されています。これはArataさんのお宅の値1.5と非常に良く合致します。私が希望する青い線で示したパターンですと5年後のC値は1.28までしか上昇しないという予測となっており、Arataさんのお宅よりもC値の悪化が遅すぎることになり、Arataさんのお宅の測定結果とは合致しませんでした。

そう考えると、現時点で得られている我が家の測定結果とArataさんから教えていただいた5年後のC値測定結果の値を考慮に入れたとき、一条工務店の家のC値は比例的に悪化していき、10年後にはC値が2.5に達する可能性が最も合理的な結果となってしまいます。。。

以前書いたFPの家のデータに基づいて考えた一条工務店の気密劣化でも、C値は2~2.5になると予想していました。FPの家が測定した多数の住宅のデータ、及び我が家の実測データ、Arataさんのお宅のデータを踏まえたとき、気密の劣化が線形的に進む、すなわち毎年一定の割合で気密が劣化し続ける可能性が最も合理的となってしまいます。

正直、そうあって欲しくないし、どこまでも気密が悪化すると言うことはあり得ないので、どこかで気密の悪化は止まるはずです。。。。また、線形に悪化していくという考えは非常に限定的な情報からの推測でしかありません。

しかし、一条工務店がデータを持っていない以上、ここでは得られた数値のみに依存して考えるしかないのが現状です。。。。そうすると、10年程度でC値は相当に悪化してしまうのではないか?と思えてしまうのです。。。

なんとかデータを取って対策を考えて欲しい

今回、一条工務店は気密の経年変化についてまとまった知見を持っていないということでした。

このことは裏を返せば

一条工務店の家では気密の経年劣化対策は施されていない

ということを示唆しています。経年劣化対策を施すためには、実際のデータを元にどの部分が原因で気密が悪化していくのかを把握していなければ対策の取りようがありません。そのデータを取っていない以上、経年劣化対策は取られていないと考えるのが合理的と思います。

さらには、一条工務店が経年劣化対策を取っていない中で、かつ、どの部分が劣化することによって気密が悪化していくのかもわからない状況です。

そうなってくると、私達顧客側にはC値の悪化を止める術も、修正する術もないことになってしまいます。そのため、一条工務店には是非もう少し規模を大きくして気密の経年劣化について検討をして欲しいと思っています。

そうでなければ、一条工務店の家は買った直後は快適だったのに、10年済んだら結局すきま風が入ってくる家になってしまった、なんてことになりかねないと思うのです。

一条工務店に期待すること

我が家のように既に引き渡し済の家に対して経年劣化対策を行う事はおそらくできないと思います。。。それはそれで仕方ないと思います。

しかし、きちんとデータを取って分析して対策を行えば、これから一条工務店で家を建てる方の満足度を上げることは必ずできるはずです!

さらに、もしかしたらC値の劣化要因が判明して、それが例えば窓サッシのパッキンなど比較的簡単に交換可能な部材であれば有償であったとしても、補修が可能になるかも知れません。

そうなれば、私達のように既に引き渡し済の家もその恩恵を受けられます!!

これまでは引き渡し段階で高気密高断熱である、というだけで顧客に対して強い訴求力があったのは事実と思います。しかし、将来、一条工務店がさらに発展していくことを考えるならばもう少し長期的な住み心地も考えて対策を取っていくことができれば、ある意味鬼に金棒だと思うのです^^

自分の家を実験台にしてみて、確かに引き渡し済のお客さんの家で継続的にC値測定をすることは難しい面もあると思います。しかし、社員宅の方であれば協力を得られるかも知れません。

また、自分の家のC値はどの程度悪化してしまったのか気になる、というお客さんは意外と多いと思うのです。そういったお客さんに協力をお願いしても良いのではないかと思うのです\(^o^)/

正直、我が家のC値変化データだけでは何かを言うことは難しいと思います。C値の劣化について長期的かつ定点的な測定をしてもらわないと、購入者である私達にとってはわざわざ高いお金を払って「高気密高断熱住宅」を購入するインセンティブが減少してしまうように思います!

私は、決して一条工務店を批判したいのではないのです。むしろガンバッテ欲しいからこそ、良い情報も悪い情報も、私個人の考えとして書きたいと思っているのです。

そして、それがほんの僅かであったとしても、これから一条工務店で家を建てたいと思っている方の役に立ててくれたら嬉しいと思っているのです!

今家が売れていても、10年後も家が売れ続けている保証などどこにもないのです。。。今、一条工務店の家が売れているからこそ、そのときにどれだけ考えて、そして努力をしたかが10年後も一条工務店の家が売れ続けてくるかに影響すると思うのです。。。

今、一条工務店の家が売れているのは、10年前に一条工務店の開発者の方達が苦労をして高気密高断熱住宅を開発したからです。10年前に一条工務店の家が売れていたのは、今から20年前に一条工務店の経営陣がフィリピンに工場を作ったからだと思うのです。。。10年スパンで顧客の満足度を上げることができてこそ、その企業が成長できるように思いますヨ\(^o^)/

今の地位にあぐらをかいた瞬間から、次の10年はなくなります。。。

広告