こんばんは。さすけです\(^o^)/
前回は住友林業の見積書を詳しく見てみました。今回は、王者、積水ハウスの見積書を見てみることにします\(^o^)/
積水ハウスの見積書は日経コンストラクション2013年11月号に掲載されていた「あの会社の見積書」を参照しています。
掲載されていた積水ハウスで家を建てられた方(以下Cさんと呼ぶことにします)は、最終候補として積水ハウスと一条工務店で悩んだとの事でした^^
最終的な決め手は「自己資金に対する柔軟性&営業さんの子供たちへの接し方」だったそうです。やっぱり営業さんって大切なんですね~!!
図面や見積書に著作権はあるの?
ちょっと最初に見積とは関係ないことを書かせてください。
前回、住友林業の見積書を日経コンストラクションを引用して掲載したところ、「著作権侵害にあたるからすぐに取り下げた方が良い」という匿名の連絡を2名の方からいただきました。ご心配をいただきありがとうござますm(_ _)m
ただ、この点は誤解があっては良くないと思いますので、この場で書かせていただきます。
書籍のページをそのままコピーして掲載したり、書籍の文章をまる写しして掲載した場合は、当然著作権の侵害となります。
しかし、一般に「数値データ」には著作権はありません。見積書という「表の形」は著作権保護の対象になり得ますが、そこに記載された金額という「数値」は著作物として保護されません。私自身はあくまで日経コンストラクションに掲載された金額という数値に着目し、その掲載紙面をコピーせず、引用していますので著作権上は全く問題ないと理解しています。
じゃあ、一条工務店の図面や見積書をブログに公開してしまうのは著作権の侵害ではないか?という指摘がありそうですが、これについては基本的に著作権の保護の対象外であると理解しています。先の日経コンストラクションは書籍ですから著作物として著作権保護の対象となります。しかし、一条工務店から私が受け取った見積書や図面は書籍ではありません。著作権が保護の対象とする著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」を著作物と定義しており、図面などの場合、いわゆる芸術作品に近い建築物の図面は著作権の対象となりますが、一般的な住宅の図面には「思想や感情を創作的に反映すること」はまずないと思いますので、著作権法の定める著作物とはなり得ないと理解しています。^^
というか、日経コンストラクションという著作物のプロが、ハウスメーカーの見積書のコピーをそのまま書籍に掲載していることからも見積書や図面が著作物ではない傍証になっているように思います^^
そもそも、「我が家の図面や見積書」は私抜きにして作成することは不可能である以上関係としては私からの依頼を受けて一条工務店が図面を作成したものであり、私のものでもある、という理解をしています。直感的にも、図面や見積を私がアップしても問題無さそうですが、一条工務店が私に断りなく我が家の図面をネットにアップしたら大問題ですから^^;
と言うことで、自分の家の図面や見積書をブログにアップしても「著作権上の問題はないかな?」と思われている方はアップしても問題ないと思います^^
ただ、これはあくまでハウスメーカーが建てる家の例であって、それこそ建築家の安藤忠雄氏などに設計してもらった家は著作物たり得ますから、勝手にアップはマズイ可能性があります^^
ちょっと話がそれてしまいました。それでは積水ハウスの見積書を見ていきたいと思います\(^o^)/
積水ハウスの見積書
積水ハウスの見積書は読むのがなかなか難しかったです。というのも、いわゆる標準とオプションが混在となった見積になっていて、最低でどの程度で家が建つのかというのがわからなかったことです。ただ、これは私のように異なるハウスメーカー間で見積書を比較使用とする際には不便なのですが、顧客の側からするとかなり細かな見積になっているため、安心感が持てるという印象も持ちました^^
今回ご紹介する、日経コンストラクション2013年11月号に掲載されていた積水ハウスのお宅を建てられた家をCさん邸と呼ぶことにします。
それでは、さっそく積水ハウスと一条区工務店で悩まれたCさん宅の見積書を見ていくことにします\(^o^)/
見積書の記載方法や計算方法は前回の住友林業の際と同じです。また、全て税抜き表示になります。
A.基本情報
積水ハウスで建てられたCさん邸は建坪は約30坪となっており、42坪の我が家と比較すると面積が小さくなります。
そのため、坪単価はCさん邸が割高となり、我が家は割安になっているであろうことに注意が必要です。
Cさん邸は積水ハウスがたくさん持つ住宅シリーズのうち、鉄骨系プレハブ構造の「fi+ma(フィーマ)」というシリーズで家を建てられています。
それにしても、積水ハウスのラインナップって本当に凄いですよね。こちらに積水ハウスの住宅ラインナップが出ていますが、鉄骨と木造の両方に対応できて、2F建て住宅だけでもそれぞれ8種類のラインナップがあるので、合計16種類ものラインナップをそろえています。住友林業が木材にこだわって、自分たちが得意とする「木」を通じてお客さんのあらゆるこだわりに答えようとする姿勢、一条工務店であれば「高断熱高気密」に強いこだわりを持って「自分たちのこだわりを通じてお客さんのこだわりに答えていこう」という姿勢だと思うのですが、積水ハウスはそういった前提や自分たちのこだわりというのを表に出さずに「お客さんのあらゆるこだわりに答えていこう」という企業姿勢が見えてきます。個人的には、ここまでできるならなぜ「高断熱高気密」のラインナップがないのだろうか??と不思議に思えてきます。
高断熱高気密住宅なんてニッチな市場であって、積水ハウスのような大手が乗り出す事業ではないという見方もあるのかも知れませんが、一条工務店が年間1万棟を達成したという噂からも、決してニーズがないという分けではないと思うのですが。。。これは個人的に本当に不思議です。住んで見てやっぱり高断熱高気密住宅は本当に住み心地が良いし、なんとなく一条工務店1社の独壇場になってしまっているのは、顧客にとっては競争原理が働かず良くないように思うのです。
我が家が検討した際にも、営業さん個人の資質の問題はあるのかもしれませんが、C値は意味がない、床暖房もいらない、高断熱高気密住宅不要といった、いわゆる「不要論」を振りかざすだけで、私の要望である高断熱高気密施工には答えてくれようとしませんでした。。。
また話がそれてしまいました^^;
続けて、住宅の本体価格を見ていくことにします。
B.本体価格、Cオプション価格
早速、積水ハウスにおける住宅のB.本体価格を見ていきます。
積水ハウスの見積書では、多くのハウスメーカーの見積書に含まれている「設計・工事監督料」の記載はありませんでしたので、空欄としました。
一方、積水ハウスの見積書には「躯体工事諸経費」や「外部工事諸経費」のように各工事には諸経費が計上されていました。この「諸経費」は価格の8%が計上されており、この8%が積水ハウスが「最低限確保すべき利益」と思います。Cさん邸が建築された2012年度の積水ハウスの戸建て住宅事業における売上高営業利益率は10.5%、2013年度の予想は12.6%です。このことからも売上金額に対して最低限8%の利益を確保しようと考えているであろうことは推察でき、パーセンテージも整合的です。実際には、2012年度の売上高営業利益率は10.5%であったわけですから、諸経費として確保した利益8%+2.5%の余剰的な利益が確保されたことを意味します。この2.5%の余剰な利益は増収による調達コストの低減などが寄与したのではないかと思います。消費税増税前の2013年9月には事業全体ではありますが、営業利益が前年比51%の増益になっており、事業が好調に推移していたことがうかがえます。
以上の結果、積水ハウスで建てたCさん邸の「B.本体価格」は1936万円となりました。
付帯工事費用については、138万円となっており、仮設工事費39万円、屋外給排水工事99万円でした。この金額は一条工務店で家を建てた我が家の見積に記載された仮設工事費30万円、屋外給排水工事72万円と比較して、若干高いですが、この後値引きもあるので、同程度と見なせると思います。
Cオプション価格
積水ハウスの見積には、明示的な「オプション」としての記載がありませんでした。そこで、見積書にあった「付帯工事- その他工事 53万円」のみをオプションと見なして計上しました。
オプションに関する記載は日経コンストラクションの本文中にも記載がなく、オプションが53万円のみであるかは不明です。よって、さらなるオプションが本体価格に含まれている可能性は否定できません。
別途記載のあった、照明とカーテンの費用は上記の通りです。結果として、オプションの金額は合計96万円となっていました。
D.地盤関係
積水ハウスの見積書には地盤関係の記載もありませんでした。おそらくは積水ハウスの標準的な仕様で建てられたのだろうと思われますので、0円としました。
E.値引き前合計金額
以上B~Dまでの合計金額は2032万円となりました\(^o^)/
坪単価を計算すると、68.8万円/坪となりました。我が家の坪単価は同基準で75.3万円でした。我が家で大量に付けたオプションを含めない場合の坪単価で63.7万円でした。坪数が約10坪異なる事を踏まえると、我が家の坪単価を+2万円する程度で30坪の住宅の坪単価となります。そう考えると30坪のi-smartの場合は約66万円/坪程度と思われます、積水ハウスの家の方が2.8万円/坪高いという印象です。
しかし、住友林業と同様、積水ハウスにも値引きがあります\(^o^)/
大逆転なるか?
F.値引き
あまり値引きをしてくれないと評判の積水ハウスですが、住友林業は300万円も値引きしてくれたのですから積水ハウスもなんだかんだいって200万円くらいは値引きしてくれるのでしょうか(o・д・)
そうなれば坪単価は7万円近くも下がり、一条工務店の家の方が高くなります!
実際の値引き額は・・・
818000円でした。
噂通り、結構渋いですね^^;
いや、100万円近い金額の値引きがあるのだから良いのでしょうか??
日経コンストラクションの記事には「157万円の値引きがあった」と書かれていますが、値引きの内訳は、出精値引き23.3万円、追加変更による値引き55.5万円、そして一番大きな値引きとして「MASTポイント値引き」として75.3万円の値引きが行われており、合計が157万円となっています。
しかし、「MASTポイント値引き」はCさん宅の特殊な事情による値引きであって、一般化できないと考えたため除外しました。このMASTポイント値引きは後ほど詳しく書きます。
81.3万円の値引きは、総額に対する値引率として計算すると4.025%となります。要するに4%ジャストですね^^;
ネット上で積水ハウスの値引きを見ていても、概ね4%となっていることから、積水ハウスでは値引きのターゲットを4%と決めているのではないかと思います。
ここから坪単価を計算すると、積水ハウスのフィーマの坪単価は65.5万円/坪となりました\(^o^)/
i-smartを30坪で建てて、オプションをほとんど付けなかった場合の坪単価が約66万円/坪程度になると思われますので、積水ハウスのフィーマと一条工務店のi-smartはほぼ同額と見なして良いのではないかと思います。
今回は積水ハウスで建てられたCさん宅のみの見積になるので、単純に言い切ることはできませんが、オプションなどを大量に付けない限りは大きく異なる事はないように思います。
こうして計算してくると、大手のハウスメーカーの金額ってどこのハウスメーカーで建てても値段が同じなんじゃない?という気がしてきてしまいます^^;
なんとなく鉄骨系は高いイメージがあったのですが、そんなことはないのですね(゜∀゜)
積水ハウスの値引きはこれだけじゃない?大幅値引きを狙えるかも?
ここまで積水ハウスのフィーマの見積を見てきましたが、積水ハウスには「大幅値引きを狙え得る大チャンス」があります。
先ほど積水ハウスの値引きは総額の4%であったことを書かせていただきました。しかし、日経コンストラクションに掲載されたCさんのお宅では、7.7%もの値引きをしてもらっているのです!
値引率が約倍になっているのです(゜ロ゜)
これにはカラクリがあります。それこそが、先ほど書かせていただいたMASTポイント値引きです。
MASTポイントとは、積和不動産という積水ハウス系列の賃貸不動産を扱っている企業の独自ポイント制度です。賃貸物件の家賃1000円に付き毎月1ポイントが付与されるポイントで、積水ハウスで注文住宅を建てる場合には1ポイント500円の値引きに換算されます。
積和不動産が管理する家賃7万円の家に2年間住んでいたとします。そうすると毎月70ポイントが付与されることになるので、70ポイント×12ヶ月×2年=1830ポイントを保有してくれることになります。
1ポイントが500円で換算されるので、1830ポイント×500円=84万円分のポイントを持っている事になります。
注意点としては積和不動産のサイト上では建物本体価格の3%までしか使用できないとなっている点です。
Cさんのお宅では見積書に記載された建物工事価格1837万円に対して、1505ポイント=753000円が値引きされています。本体価格に占める比率は75.3/1837=4.1%となっています。Cさん宅では不動産の購入も積水ハウスを通じて行ったようなので、この3%ルールを超えて値引きが行われたものと思われます。
いずれにしても、通常4%しか値引きをしてくれない積水ハウスから、+55万円(本体価格1837万円の3%相当)を値引きしてもらえることになり、最終的な値引率は6.7%になります。
その結果、Cさん宅の坪単価は約64万円/坪となり、i-smartと比較すると安い金額で購入できたことがわかります!
積和不動産のMASTポイントが、過去に住んでいたけど直近では住んでいなかったようなケースでどのような扱いになるのかは不明ですが、例えば独身時代に積和不動産の賃貸物件に住んでいた場合などは一応聞いてみると良いと思います^^
これは、あくまで私の推測ですが、2012年当時は積水ハウスの値引率はおそらく4%であったのだと思います。昨今の住宅需要を考えると、ある意味買い手市場になっています。
先に書いたとおり2013年9月までは順調に収益を増大させてきた積水ハウスですが、消費税増税に伴う住宅需要の大幅な下落は避けられなかったようです。積水ハウスのIR情報によれば2014年5月の戸建て住宅受注個数は1月からの累積で前年比33%減となっています。3割も受注戸数が下落しているのです。。。これはある意味予測された受注戸数の減少なので、積水ハウスとしても備えはあると思いますが、3割も下落してくるとこれまでの利益率を確保することは難しくなってくると思われますから、当然「値引きしてでも家を売りたい」状態になっているのではないかと思えて来ます。であれば、当然、値引率を上げて対応してくれる可能性がありますから、値引き交渉の際は少し強気に出るのも手かも知れません^^
あくまで私の個人的な感覚ですから値引いてもらえなくても怒らないでくださいね(゜∀゜)
以上、積水ハウスの見積書についての考察でした\(^o^)/
住友林業、積水ハウスの見積も含め、住宅の坪単価や価格全般についてはこちらのトラコミュ登録していきます\(^o^)/
ブログを書かれている方は是非ご参加いただければと思います\(^o^)/
次回は、ローコストハウスメーカーの勇、タマホームの見積書を見てみたいと思っています!
タマホームは坪単価が安いけど、なんだかよく分からないお金を取られて結局高い、なんて話も聞きます。そんな「噂話」も見積書を見れば一目瞭然です\(^o^)/
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