【追記】ネズミ・コウモリに関しての一般的な見分け方と対応方法への注意~侵入口の大きさは1cmが境目です~

こんばんは。さすけです。

先日、一条工務店の通気層内にネズミやコウモリが侵入してしまう仕様上の欠陥ががあることを書きました。

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その後、ネズミ被害は確認していませんが、コウモリの被害についてはかなりの数ありそうな様子と思っています。

現時点では一条工務店からは特に何も連絡はありません(←私にする必要はありませんが^^;)。

何人かの方から

  • コウモリかネズミか分からない
  • 隙間はどれくらいだったらネズミやコウモリが侵入してこないのか?
  • コウモリはそれほど気にしなくても良いのでは?
  • コウモリ忌避スプレーは使っても大丈夫?

といったお問い合わせを頂きました。これについては、間違えた認識を持ってしまうと、被害を見過ごしたり、被害を拡大させてしまうこともあるかと思い、先の記事の追記記事としてアップさせていただきます。

閲覧に注意を要する画像を使用していますが、それらの画像にはブログ上ではモザイクを掛けておりますので、ブログ本文をお読み頂く上ではどなたでもお読みいただけます。ただし、動物の糞の写真はありますので、食事中は避けた方が良いかと思います。また、【閲覧注意】と書かれたリンクは、一般に不快感を覚えるネズミやコウモリが写っている写真や動画にリンクしていますので、リンクのクリックはご自身の判断で行って下さい。

コウモリとネズミ被害の見分け方

コウモリの侵入経路

水切り部分に何かのフンを見つけたけれど、それが何のフンなのか分からないと言うご質問を頂きました。

もしも水切り部分で何かのフンが貯まっているのを見つけたならば、それは「アブラコウモリ」というコウモリの可能性が高いです。

まず、前回は書いていなかったので、コウモリはどこから侵入してくるのかについて書いておきます。

 

コウモリは軒天の先端、書きの写真の位置の屋根裏通気口から侵入が可能になっています。

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ただし、下の写真で示した様に、i-smartの前面部分はコウモリ等が侵入しないように金網が張られており、ここからはコウモリは侵入できないようになっています。

しかし、サイド部分には金網は張られていないため、コウモリは侵入可能となっています。なぜ前面しか金網が張られていないのかは分かりません。。。仕様としか言えません。。。

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私が建築した2012年当時の最初期のi-smartではありませんでしたが、その後の改良されたi-smartでは屋根裏への通気口として

外壁に沿うような形で通気口が設けられています。

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この部分は以前ブログで記事にしたスズメバチの巣が作られてしまった箇所と同一箇所になります。

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この部分も特に金網などは施工されていないためコウモリが侵入可能となっています。ただし通常は通りに施工されていればスポンジとタイルが接しているので、コウモリは侵入できないはずです。念のため懸念箇所として記載しておきます。

コウモリのフンとネズミのフンの見分け方

素人の私達にはコウモリのフンとネズミのフンは、フン単体で見分けることは極めて困難です。

しかし、一条工務店の家に関しては非常に簡単に見分けが付きます。

 

コウモリは巣の中でフンをする習性があります。

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よって、上記のように水切り板の上に何かの動物のフンが貯まっていたらそれはコウモリの可能性が極めて高いです。

ネズミは、基本的に巣穴から外に出て歩きながらフンをする習性があるため、上記のように1箇所にフンが貯まることはあまりありません。

 

ネズミが潜んでいる場合の見分け方

もう一つ重要なのは「発泡スチロールのカスのようなものがないか?」を観察します。

下記のように明らかにEPSの残骸が散乱していたら、ほぼ確実にネズミが巣穴を掘っていると考えられます。

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ただし、上記のように発泡スチロールが貯まるような状態にまでなっているケースを見つけることはなかなか難しいです。

EPSのクズは非常に軽いため、弱い風でも飛散してしまいます。

そのため、下記のようにEPSのクズがわずかに散乱している状況であれば、少し注意をする必要があります。

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上記のようにEPSの少量のクズと、何かの動物のフンが散乱している場合は、ネズミの可能性が高いと考えられます。

問題は、EPSは見当たらないけれどネズミのようなフンが建物の周辺に散乱しているケースです。この場合は、フンが散乱している箇所の水切り部分とタイル部分を覆うようにして養生テープを貼ってみてしばらく観察してみて下さい。このとき、わずかでもEPSのくずが養生テープにつくようであれば、ネズミが侵入している可能性が高くなります。

当然と言えば当然ですが、EPSは自然に劣化してぼろぼろと崩れてくるようなことは数年程度ではあり得ないことです。

フンの散乱状況とEPSのクズの有無によってネズミとコウモリは容易に見分けが付きます

 

どれくらいの隙間からネズミやコウモリは侵入してくるの?:基準は1cm

 

この点もご質問をいただきました。特に、最近のi-smartでは上記の水切り上部の隙間が小さくなる傾向にあります。また、一条工務店以外のハウスメーカーでも1cm前後の隙間のハウスメーカーが存在します。

ネズミやコウモリが侵入するために必要な隙間の大きさは「1cm」とされています。

今回、被害にあわれた方のお宅で見つかったネズミは住宅に被害をもたらす家ネズミ3種(ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ)のうち、最も小型なハツカネズミであると考えられます(東京都ねずみ防除指針資料参照)。

東京都ねずみ防除指針資料より

 

ハツカネズミは家に被害を及ぼすネズミとしては最も小型で体長が6cm~9cm程度となっています。

 

大阪府大阪市旭区のサイトによると、これらネズミが侵入するために必要な隙間の大きさはクマネズミで1.25cm、ハツカネズミの場合で1cmと示されています。ネズミが侵入するのに必要な隙間のサイズについては500円玉程度、2.5cm、5mm、7mmといったように様々なことが言われていますが、公的なサイトとして上記の隙間の大きさが信頼性が高いものと判断しここでは最低限必要な対策としては1cmの隙間を埋めることが必要と考えます。

人によって違いがありますが、女性の方で人差し指を隙間に突っ込んで第一関節の爪がある部分の終わりあたりまで指が入ればそれがおおよそ1cmです。よって、爪の部分まで指が入るようであれば、その隙間からはネズミは侵入可能と考えて良いかと思います。

本当にそんな小さな隙間から侵入できるの?と疑問に思われた方(私も俄には信じられませんでした)は下記の動画をご覧ください(ネズミは写っていますが、それほど気持ち悪いものではないかと思います)。

 

上記動画33秒あたりで奥に見えるネズミの体高に比べてはるかに小さな隙間にネズミが容易に侵入していくことが確認できます。

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アブラコウモリについては、公的機関による隙間サイズの目安を見つけることはできませんでしたが、害虫駆除業者の多くのページで1cm程度と言及されていていることからネズミが侵入可能な隙間と同様1cm程度の隙間から侵入が可能と推察されます。

 

こちらの動画閲覧注意:多数のコウモリがはっきり見て取れます。苦手な方は閲覧をしないことをお勧めします)では、周辺の木材のサイズから15mmまたは18mm程度の屋根裏の隙間と思われる隙間から、次々にコウモリが出てくる様子が確認できます。また、この動画から2cm程度の隙間であればコウモリは容易に出入りが可能である事もわかります。

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こちらの動画閲覧注意:それほど気持ちが悪いわけではありませんが、コウモリが嫌いな方はやめておいた方が良いかと思います)では、一条工務店の屋根付近の構造と同じように屋根裏に通じる数センチメートルの通風口から侵入してしまったアブラコウモリをコウモリ忌避スプレーを使って追い出している作業の様子です。

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こちらの動画からも、やはり軒天付近の隙間からコウモリが侵入するケースがあることが確認できます。

 

以上のことから、私達が通常考えるよりもかなり小さな隙間であってもネズミやコウモリが出入りできる状況にあることが確認できます。

そのため、感覚的「これぐらい狭い隙間ならばネズミやコウモリが入ってくることはないだろう」と考えてしまうのは少し危険かも知れません。

コウモリが住むことによる問題

ネズミが壁の中に住んでしまうと、EPSをかじられるなど問題が生じることは容易に想像ができます。

一方で、コウモリについては、フンによる被害が考えられるとは言え、EPSに穴を開けるわけではないし、少し迷惑かも知れないけれどツバメが巣を作るのと一緒でそれほど問題はないのでは?と考えられる方もいらっしゃるかと思います。

 

ツバメと違って、コウモリは目に見えない家の壁の中に住んでいるというのが気にはなりますが、コウモリがツバメと同じようにつがいで2匹+その子どもが住むぐらいであれば、、、まあまあ、許容の範囲内かとは思います(実際にはダニの問題やフンの飛散による感染症の問題等々あるので無視はできませんが。。。)。

実際、アブラコウモリはその習性上、メスコウモリ+その子ども、といった単位で巣を作ることが多いコウモリとなっています。

ただ、アブラコウモリが本当に困るのは、その習性上、時に50-60匹の大世帯を構えてしまうことがある点になります。このような状況になると駆除は極めて困難になりますし、その状態になると、やはり無視をするのは難しいかと思います。

 

そうなったときに壁の中で何が起こるかについては、こちらの動画閲覧厳重注意:多数のコウモリがうつっています。)をご覧になられれば一目瞭然かと思います。

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このような状態になることを避けるためにもコウモリの侵入を発見した場合は早期にそこから出て行ってもらう対策は必要であろうと思われます。

 

住友林業でも対応は取られている

前回、一条工務店では水切り部分からネズミやそのた害虫等の侵入対策が取られていないことに触れ、一方で、積水ハウスではその対応が取られていたことを書きました。

その後、住友林業で家を建てられた絹太さん&おきぬさんのブログで、私のブログを引用してくださり、住友林業の家における対策を紹介して下さっていました。(絹太さん&おきぬさんのブログのWeb内覧会などはハウスメーカーを問わずこれから家を建てる方には非常に参考になる部分が多いかと思います!)

 

絹太さんのブログで紹介されていた住友林業の住宅における通気層の入り口部分の写真が下の写真です。

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赤丸で囲まれた部分に示しているように、楕円形を半分に切り取ったような形の金具が施工されており、ネズミなどの侵入を防ぐ構造が取られていることが分かります。

下記の積水ハウスの通気層への空気の入り口部分の形状も良いと思い増したが、住友林業のものはこれまた、害虫等が侵入できないようによく考えられているな~と思えてきます。

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そして、積水ハウスのものに比べて施工コストが安く済むように形状もよく考えられているように思えます。

 

そうそう、コメントでも質問をいただいて居たのですが、一条工務店の家では、基礎への空気の入り口は水切りのしたがわにあって、壁内への通気層の入り口は水切りの上にある構造になっているのですが、積水ハウスも住友林業も、水切りの下に1箇所の通気層への入り口を設けてここから、基礎と壁内の双方の通気を行うという構造になっています。一見上記の写真は水切りの下の写真に見えますが、積水ハウスと住友林業の家ではこの部分が通気の入り口になっています。

実際に住友林業のサイトでは、通気層への入り口を1箇所にしていることが図解されています。

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これは推測でしかありませんが、こうすることでわざわざ2箇所の「ネズミ等の侵入防止策」を取らなくてもよくなり、コスト低減に貢献しているように思います。

こうして見てみると、なんとなく一条工務店と競合する他のハウスメーカーはみんな対応しているのでは??と思えてきてしまいます。。。実際どうなんでしょうか??

 

コウモリ・ねずみ侵入対策について

通気層を自分でふさぐのはやめて下さい

先のブログでも書きましたが、ネズミやコウモリの侵入を心配した場合でも、通気層を塞いでしまうことだけは絶対にやめておいた方が良いかと思います。

通気層は、透防湿シートを通じて室外から放出された水蒸気を外気に開放するために不可欠な空間です。そのため、これを塞いでしまうと、家に重大なダメージを与えることになります。

実際に、通気層を塞いでしまった方がご自身のお宅のリフォームの際の内部の様子を書かれています(完全公開!外断熱リフォームのすべて:たった10年で壁柱を腐らせた原因)。

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通気層を塞いでし舞うことでそこに結露が生じ、木材を腐らせてしまったものと思われます。

一条工務店の家の柱は防腐処理がされているので、それがどの程度の効果を発揮するかは不明ですが、それでも結露が生じてしまう危険性を大きく高める結果になります。

そのため、ご自身で対応を取られることは避けた方が良いと考えます。

 

コウモリ忌避スプレーを使う前に確認を(実際購入して確認予定)

コウモリ忌避スプレーを使う場合は、少し注意が必要と思います。

ネット上で確認すると「イカリ消毒 スーパーコウモリジェット」という製品が見つかるかと思います。

 

こちらの製品は主成分がコウモリが嫌う「ハッカ油」である旨が記載されています。

これがどの程度効果があるのかは分からないのですが、その前に「溶媒がEPSを溶かしてしまう可能性がある」ことから、使用される場合は事前に確認をされることをお勧めします。

ハッカ油は「油」であるため、水性の溶媒(ハッカ油を溶かすもの)には溶けません。そのため、このハッカ油を溶かすために何かの油性成分が使われていると思われます。

場合によっては、有機溶媒系の溶剤が使われている場合、EPSを溶かしてしまうことがあります。これについては、試しに1本購入してみましたので、これを手元にあるEPSの端材にかけて試して見ますので来週あたりまでお待ち下さい。。。または一条工務店に大丈夫か確認してから使用して下さい。。。

もし、その後の一条工務店が何か対応をするという情報がありましたらお教えいただけると嬉しいです^^

以上、取り急ぎの追加情報でした。