こんばんは。さすけです。
[kanren postid=”15352″]今回の記事は影響が極めて大きいと思っています。
対象者はハウスメーカーにかかわらず、2011年~2013年の間に家を建てられた方が被害に遭われている可能性があります。中小工務店で家を建てられている場合などは2014年建築のお宅でも被害が発生している可能性があります。
具体的な被害は「数年で壁クロスがぼろぼろになる」というものになります。そして、その壁紙はサンゲツEBクロス、一条工務店の標準壁紙、建売分譲住宅、新築マンション、その他ハウスメーカーなど、多数の被害が出ています。
これらは全て、大日本印刷が製造したEBクロスと呼ばれる壁クロスの不良に起因する不具合となります。
問題を抱えている住宅はどれほど少なく見積もっても数万軒以上、今回の費用の最終負担者である大日本印刷がこの不具合に対して支払う補修費用は2016年11月時点で350億円以上というとんでもない金額になっています。
一方で、被害軒数の多さ、被害額の大きさにもかかわらず、問題は表面化していない状況です。一条工務店にお住まいの方だけでもおそらく1万軒以上、建て売りやその他のハウスメーカー、工務店を併せていけばその被害件数は10万軒に達する可能性もあります。
一条工務店標準のサンゲツ製クロスがぼろぼろに!?使い方が悪い?いいえ不良品です!
大日本製のサンゲツEBクロスに不具合
まず、結論から申し上げると2011年~2013年に
- 一条工務店で家を建てられて一条工務店標準のEBクロスを採用した住宅
- ハウスメーカーに無関係にサンゲツ製のEBクロスを採用された住宅(建て売りを含む)
- サンゲツ製のEBクロスを採用されているマンション
で使用されている大日本印刷製のサンゲツのEBクロスには不良品が多数混ざっています。
具体的には下記のように、ちょっと触っただけでも壁紙がはげ落ちるケースが生じています。
(popologさん提供:住んでから気づくクロス選びにおける5つの後悔)
もしも、サンゲツのEBクロスを使用されており、上記のように壁が触ってもいないのにぼろぼろと剥がれる状況が出ていましたら、それは不具合品の可能性が極めて高いです。上記のような壁紙になっている場合は、自分が悪いわけでも、家族や子どもが壁紙をいじるから剥がれているわけでは決してありません(どうかお子さんを叱らないであげて下さいm(_ _)m)。このような壁紙の状態になったのは、サンゲツのEBクロスを製造した大日本印刷の製造工程に問題です。ようするに、壁紙が不良品なだけです。
popologさんは、今回の一条工務店の標準クロス(実際は大日本印刷が製造したサンゲツEBクロス)について、不具合が発生している旨の通知を一条工務店から受け取られており、その内容をブログにアップされています。
壁紙の弱さは製品不良が原因だった!一条工務店から「壁紙に関するお知らせ」と今後の対応
サンゲツEBクロスの不具合とは具体的にどのような症状が出るのか?
大日本印刷が製造しサンゲツブランドで販売しているEBクロスの不具合の写真を示します。
今回の問題は、建売、マンション、またはハウスメーカーや工務店とは関係なく、2011年から2013年の間に市場に出回った大日本印刷製造のサンゲツEBクロスを用いていればどこでも起こる問題となっています。
壁の表面剥離事例
下の2枚の写真は、大日本印刷が製造したサンゲツのEBクロスで不具合が発生した状態を示した写真です。
これらの写真は、何十年も経過した壁紙であったり、ネコなどの動物によって壁紙が剥離したものではありません。このような症状は特に太陽光が当たる部分で顕著に表れるとされています。もっと言えば、「紫外線が当たる場所」で症状が顕著なのが今回の不具合の特徴です。いずれのケースでも本来人が触れていないような箇所であっても、下記のように壁紙表面がぼろぼろと崩れたり、また、水に濡れた段ボールを擦ったあとのように毛羽立った状態になったりします。
(匿名掲示板より)
(匿名掲示板より)
上記のように顕著な事例でなくても先のpopologさんのブログで照会されている写真のように、角部分のみが表面が欠落していくという症状が出るケースもあります。
そして、こうして崩れた壁紙表面は白い粉状になり、床に散乱しているケースがあります。下記の写真のお宅はフローリングが濃い茶色であるため、白い粉が目立ちますが、白系のフローリングを用いている場合、症状に気づけないことも予想されます。
(匿名掲示板より)
これらの写真のお宅では、いずれも「何かがおかしい」といった状態となっていますが、少し壁紙がはげた程度だと、最初は何かで擦っちゃったのかな?と感じるようなものとなっています。
ただし、今回の不具合では症状が改善することはなく悪化していきますので早期に不具合の認識は必要と思います。
不具合があるEBクロスの範囲
サンゲツのEBクロスは全て大日本印刷(DNP)が製造している。
まず、上記で何度も繰り返している大日本印刷製のサンゲツEBクロスという言い方を不思議に思われた方もいらっしゃるかと思います。
自分はサンゲツの壁紙を選んだはずなんだけど?大日本印刷が関係あるの?と思われる方も多いように思いマス。
家を建てた方であれば、壁紙と言えばサンゲツ、というイメージが強いかと思いますが、サンゲツは商社であり、壁紙の開発や企画は行う一方で、サンゲツ自体は壁紙の製造は行っていません。壁紙は別の企業が製造し、それをサンゲツブランドで販売しています。
そして、今回不良の問題が出てきたサンゲツEBクロスは大日本印刷の特許技術によって大日本印刷が専売的に製造しサンゲツブランドで販売している壁クロスのシリーズとなっています。実際、大日本印刷のWebサイトにおいてもEBクロスの説明として「サンゲツ様ブランドにて販売」と記載されています。
大日本印刷とサンゲツの間にどのような契約関係があるのかは不明ですが、「EBクロス」は大日本印刷が製造し、サンゲツが販売する以外が認められていないものとなっていると推察されます。
EBクロスの「EB」とは?
EBクロスのEBはElectron Beamの略で、大日本印刷が特許を有する技術の略称です。そして、EB(Electron Beam)は2007年11月に大日本印刷が出願した登録商標です。よって、他社は大日本印刷の許可無く壁クロスなどに「EB」という商品名を使用する事ができません。よって、壁紙等にEBと付してあるものは全て大日本印刷が製造しています。
一条工務店で家を建てられた方であれば、「EB」と聞くと、フローリングのEBコートを最初に思い浮かべるかと思いますが、一条工務店のフローリングで採用されているEBコートフローリングもEBクロスと同様に大日本印刷の技術になります。そしてEBコートされたフローリングシートもやはり大日本印刷が製造しています。
[kanren postid=”5769″]EBクロスに用いられているEBコートという技術は、樹脂を硬化させる際に電子線を用いることで、樹脂の表面に高い熱を加えることなく硬いEB層を作り出し、これによって傷などに強いコーティングを行う技術となっています。もともとは大日本印刷が紙の表面コーティング技術として開発したもので、これを壁紙に応用して「傷に強い壁紙」として売り出したのがEBクロスです。
EB技術の歴史は古く、今回の問題は「EBクロスのみ」と思われる
大日本印刷の資料によれば、EB技術の研究の歴史は古く、1985年から研究開発を開始し、様々な製品に展開されている大日本印刷の基盤技術となっています。大日本印刷はEBテクノロジーに関して、特許出願件数が1000件以上、400件以上の登録特許を有しているとされています。
今回、EBクロスの大規模な不具合は、あくまでEBクロスに限定されるものと思われます。少なくとも、フローリングのEBコート等では今回のような不具合が発生しているという事実は確認できませんでした。
2011年から2013年に製造されたEBクロスが不具合を起こしている
EBクロスはサンゲツが2011年2月に「新素材ハイブリッド壁紙」として販売を開始しています。そして、今回のEBクロスの不具合は2011年の販売開始から2013年までに製造されたEBクロスにおいて発生しています。
(インテリアビジネスニュース:2011年1月26日配信:サンゲツ 新素材ハイブリット壁紙「EBクロス」2/1発売)
一条工務店はサンゲツEBクロスを自社標準壁紙として採用
一条工務店は、i-smartやi-cube等において、「EBクロス」を一条工務店の標準壁紙として採用していました。一条工務店の標準EBクロスは、実際にはサンゲツのEBクロスと実質的に同一のものとなっています。これは、一条工務店が標準品としてサンゲツEBクロスを大量に買い入れて、これを一条工務店の標準品として提供したという風に理解しています。
多くの方がそうだと思いますが、私自身、自分の家に一条工務店のEBクロスを使ったかどうかはま~ったく記憶にありません^^;;
一条工務店からはクロス仕上げ表という自分の家で使ったクロス一覧表をもらっています。この仕上げ表にはサンゲツクロスと書かれているものもあれば、オリジナルセレクトクロスと書かれているものもあります。
おそらく、一条工務店の標準クロスは「I」ではじまる型番になっており、これがEBクロスに該当するかは不明です。確認方法についてはもう少し調べ手からブログでまとめたいと思っています。
EBクロスの不具合の原因(推測)
EBクロスの不具合を促進させる紫外線による脆化現象
現時点では、私自身はEBクロスの不具合が具体的にどのようなメカニズムによって引き起こされるのかを把握していません。よってここで書く内容は現時点での推測になっています。
今回のEBクロスの不具合は、太陽光が当たる場所で顕著であるとされています。このことから、EBクロスの接着剤または壁紙表面の材質が紫外線に対する強度が弱く、紫外線によって脆化することによって引き起こされていることはほぼ間違いないと考えています。
しかし、一般には壁紙のようなものを大規模に販売する場合には加速劣化試験(大量の紫外線を当てて10年以上使用した状態を短期間に再現する試験)を行って耐久性を確認しているはずですので、なぜ顧客の住宅で広く問題になるまで問題が顕在化しなかったのかについては疑問が残ります。
EBクロスの不具合を深刻化させたであろうEBクロスの下地追従性
今回、EBクロスの不具合を深刻化させた要因の一つとして、EBクロスの特徴の一つである「下地追従性」の高さが挙げられると考えています。
サンゲツのEBクロスカタログ2011-2013(不具合を起こしているEBクロスが掲載されているカタログ)によると、EBクロスには以下の6つの特徴が掲げられています。
- 生産から廃棄までの一貫した環境配慮を実現
- プロも推奨する施工性
- 分子の緻密な結合で汚れが拭き取りやすい
- 傷がつきにくくながく美観を保つ
- 空気を汚さない、安心の室内環境
- 下地追従性にすぐれ、ヒビ割れしにくい。
今回、壁クロスの不具合によって4番目の特徴である「ながく美観を保つ」については、完全に失敗であったと言わざるを得ません。そして、この不具合を生じさせた要因の一つはこのEBクロスの6つめの特徴が深く係わっているように思います。
EBクロスは、一般的なビニルクロスに比べて下地追従性に優れているとされています。新築木造住宅では使用した木材の乾燥による収縮等によって、「木が動く」と言われる現象を起こします。新築住宅が時間をかけて乾燥していく過程では、下地木材がわずかに表面の壁紙を引っ張ってしまったり、逆に縮めて締まったりと言うことがい起きます。下地追従性が悪いクロスの場合、下地木材が動くことによって、壁紙がよれてしまったり、また、剥がれてしまったりと言った問題が生じ、住宅の施工会社にとってはクレームや再施工費用を発生させてしまいます。
しかし、このEBクロスはクロスが伸縮することで下地木材と一緒になって延びたり縮んだりするために、木材の乾燥過程で下地が多少動いたとしても壁クロスが剥がれたりよれてしまったりという問題を避けることができるという点で優れています。
ところが、今回このサンゲツEBクロスの不具合はこの下地追従性の良さ故に問題を深刻化させてしまったと推察します。問題の根本的な原因は壁クロスが紫外線を浴びることで脆化(もろくなること)してしまうことにあります。
しかし、表面が紫外線を浴びて脆化した状態で、引っ張ったり、縮めたりすればどうなるでしょうか、、、そう、触っても以内のに壁の表面がぼろぼろと崩れてしまう現象を促進させることになってしまいます。
結果的に人がほとんど触らないような箇所についても紫外線を吸収して、下地が動き、EBクロスの特徴でアルした実意急性故にクロスがそれにあわせて動くことで、結果に一気に壁紙をぼろぼろにして行ってしまったのだろうと考えれます。
太陽光の当たらない場所のクロスは問題ない?
今回のEBクロスの不具合は太陽光が当たる、すなわち紫外線が強く当たる場所で顕著です。では、紫外線が当たらないような場所のクロスで、現時点では壁紙に不具合らしい症状が現れていない場合は問題が無いと理解して良いのでしょうか?
残念ながら、現時点では不具合が出ていなくても、不具合を起こしている壁クロスと同一の生産ラインで作られたEBクロスについては将来同様の不具合を発生させると考えるべきです。
理由は、今回の不具合の原因が、紫外線による脆化にあるためです。不具合を起こしているEBクロスは一定量の紫外線を浴びると接着能力が劣化し、壁紙表面がもろくなると推察されます。太陽光を多く浴びる居室については、紫外線の照射量が多かったため、2年程度で不具合が顕在化します。日光を浴びない居室等については、紫外線の照射量が少ないために、現時点では壁紙が脆化していないだけと理解できます。しかし、日光を多く浴びる居室では2年で不具合が生じるのに対して、日光を浴びない居室では紫外線の照射量が一定水準を超えると壁紙に不具合が発生してくると推察されます。これが5年なのか、それとも10年になるのかは、まだ分かりません。しかし、紫外線による脆化が原因である以上、いずれ不具合が生じることは確実と思います。
サンゲツ・大日本印刷は黙秘、一条工務店は顧客へのアナウンスを開始
サンゲツ・大日本印刷は顧客への自主的アナウンスはしていない状態
現状、大日本印刷が製造したサンゲツEBクロスの不具合について、大日本印刷、サンゲツのいずれも公式なアナウンスは行っていません。
理由は「人体に影響が出るものではないから&顧客が特定できないから」という、理由のようです。。。個人的には色々と思うところはあります。企業側が自主的に商品の回収を進めるのが「リコール」ですから、サンゲツと大日本印刷はEBクロスのリコールを行ってはいません。
一条工務店は自主的に顧客へのアナウンスを開始
一方で、このブログを読んでくださっている方の多くが選ばれた一条工務店については、一条工務店が標準品として採用している大日本印刷製のサンゲツEBクロスの不良について、自主的な補修について顧客へのアナウンスを開始しました。そういう意味で、製造メーカーではない一条工務店が勝手に?リコールを行っている状態です。しかし、個人的には、この不良品をつかませた顧客に対して自らアナウンスを行う努力をするか、それともその努力をせず、単に「文句を言ってきた顧客」だけに対応をするかは、その対応に大きな違いがあると思っています。ただし、アナウンスの仕方はまだまだこなれていない印象を持っており、今後改善が望まれます。詳しくはもう少し調べてからブログに書きたいと思っています。
一条工務店以外のハウスメーカー、工務店、マンション等は対応がまちまち
一条工務店については、不具合のある壁紙を使用して施工した住宅に自主的なアナウンスをしていることを確認しています。その他のハウスメーカー等では、自主的なアナウンスをしているメーカーもあれば、顧客からのクレームが入ってから対応をするメーカーなど対応はばらばらのようです。
マンションなどでは全住戸での壁クロスの張りかえなどで、管理組合の対応で揉めているケースもあります。建て売り分譲住宅についても売り主が自らアナウンスしているケースもあれば、全くアナウンスをしていないケースもあるようです。
さらに悪いことに、大日本印刷やサンゲツがアナウンスをしていない結果として、中小工務店などでは問題が存在していること自体を認知していないケースもあるようです。結果的に顧客から問合せがあっても、「壁紙は消耗品」として、対応を渋っているケースもあります。まずは、EBクロスに不具合が出ている事実を確認し、その上で、売り主に確認することをお勧めします。
不具合がある壁紙を使っていたら誰が対応をしてくれるの?
今回の大日本印刷製サンゲツEBクロスの不具合は、最終的にはその全てをEBクロスを製造した大日本印刷が負担し再施工するとしています。
再施工にあたっては、再施工費用はもちろん、必要に応じた家財の移動費用、サンゲツEBクロスを使用している範囲が広く、施工が1日で終わらない住宅などについては、施工に必要な期間の仮住まい(ホテル代等)の費用を全て負担してもらうことができます。逆に、慰謝料のようなものは支払われません。慰謝料を支払った場合、問題を複雑化させると考えるため、個人的には慰謝料を支払わないことは正しいことと思っています。
また、ハウスメーカーの保証規定にかかわらず、施工後10年が補修対象期間として設定されます。
EBクロスは2011年に販売が開始された商品であるため、現時点では被害に遭われた全ての住宅については壁紙の張りかえは全て無償で行われます。また、不具合がある大日本印刷製のサンゲツEBクロスが使用されていて、実際に壁紙がぼろぼろになっているようなお宅では、まずは壁紙がぼろぼろになってしまった場所だけを張り替えてもらった上で、その後、実際にぼろぼろにはなっていないけれど、不具合がある壁紙の張りかえは10年後ぎりぎりにしてもらうということもOKとなっています。
要するに、ぼろぼろの壁紙については、すぐに張り替えてもらっておいて、引き渡しから10年を経るぎりぎりのところで、残りの全ての壁クロスを張り替えてもらうこともOKと言うことです!
これは、一条工務店に限らず、建て売り住宅、マンションも含めて全てと理解していますが、少なくとも一条工務店については上記の条件が適用されることを確認しています。
症状が出ていなければ「一条工務店で家を建てられた方は」もう少し待ってみた方が良さそう
まだ問合せ受付体制が整備されていない
もしも、不具合が実際に出ているお宅については一条工務店の営業さんなどに問合せを行って確認をしてみると良いかと思います。
しかし、現時点では不具合が顕著でなかったり、不具合が出ているかどうかが分からない状況である場合は、一条工務店から連絡があるまでは待った方が良いと思います。
今回、この記事を書くにあたって、私自身の住宅も対象住宅となっている可能性があるため、他の方からいただいた問い合わせ窓口に電話で問合せを行ってみました。しかし、現時点では問合せをした人の家が対象住宅であるかどうかを即答できる体制には無い状態であることを確認しました。
一条工務店は順次アナウンスをすると公式に通知を出しています(このことについては情報を下さった方が受け取った文章などでも書かれています)。また、大日本印刷の問合せ窓口の担当者の方も「一条工務店が順次連絡をしている」と話をされており、一条工務店については順次不具合がある家にお知らせを発送されている事実を確認しました。
ですので、不安もあろうかと思いますが、私が言うのも変ですが、少しお待ちになるのが良いと思います。このような形で情報を出していながら問合せを待ってと言うことに違和感を感じる方もいらっしゃると思いますが、それが結果的に多くの方のメリットになると判断してこの記事を書いています。
ただし、上記の確認は一条工務店で家を建てた方限定のものとなっており、他のハウスメーカー等で家を建てた方はすぐにハウスメーカー等に問合せをされた方が良いかと思います。
補修対象期間は10年なので、急がなくても大丈夫
今回確認したところ、一条工務店の住宅に関しては引き渡し後10年、より具体的には10年目点検までに連絡をもらえれば補修を行う旨が記載されています。
先に書いたように、EBクロスの販売開始が2011年2月ですから、一番最初に補修対象から外れてしまうお宅でも2021年1月末までは補修を受ける権利を有しています。
現時点では、保証の範囲もきちんと決まっておらず、また、一条工務店からのアナウンスも開始されたばかりの状況となっています。ですので、現時点で不具合が出ていない方については早急な対応の必要性はそれほど高くないと考えています。
また、不具合が発生しているかどうかに関係なく,不具合のある壁クロスは全て張りかえをしてもらえることも確認しています。
どうしても不安という場合は、一条工務店の営業さんに問合せをすることをお勧めします。
不良品をつかまされたのに朗報とは是如何に?
不良品壁紙の張り替えタイミングをうまく調整するとハッピー?
今回、ブログのタイトルを【朗報!?】とさせていただきました。既に生活している住宅のサンゲツ製EBクロスを全面張りかえするような自体のどこが「朗報」なんだ!と思われた方も多いかと思います。
個人的には今回のケースは見方によっては「朗報」でもあるように思っています。その理由は補修対象期間の「10年」にあります。
通常、ハウスメーカーによらず、壁紙不具合の保証期間は2年程度に設定されることが一般的です。壁クロスの保証期間は住宅設備の保証期間としては短い部類に入ります。しかし、今回大日本印刷はその保証期間を引き渡し後10年として設定しました。また、生活者の負担を最小化するために、順次部分的な張り替えにも対応をするとしています。例えば、週末のみで、1部屋ずつ張り替えのような対応にも可能な限り応じる姿勢を示しています。
これはうまく使えば、「朗報」になると思っています。
壁紙は生活をするなかでどうしても汚れが生じてしまいます。そのため、場所などにもよりますが10年~15年程度で張り替えたくなってくるのが一般的です。
そして壁紙の張りかえ費用は1部屋だけでも5万円~10万円、全室になれば数十万円に達します。また、一条工務店の家のように吹抜があれば、足場を組む必要もあるため100万円近くになることもざらにあります。
正直、ちょっと壁紙が汚れたからと言っておいそれと張りかえを決めることは難しい金額と思います。
しかし、今回、大日本印刷はサンゲツEBクロスの不具合について、10年の保証期間を設定しました。一条工務店についても引き渡し後10年の期間が設定されています。そして、張りかえのタイミングについては生活者の都合を優先するとしています。ようするに、引き渡しから10年以内であれば、生活される方の都合に合わせて時期を選んで良いとしています。
引き渡しから10年あれば、引き渡しから2年後に生まれた今2歳の我が子も、8歳になっています。
今はまだ小さいので、
こんな風に壁紙を破いてしまうこともありますが、8歳になればこのようなことはしなくなっているはずです^^ちなみに上記の1箇所の張りかえでもその費用は1万2千円でした。
この他にも小さいお子さんがいれば、壁紙を破くだけではなく、いたずら書きをしてしまうこともあるでしょう。
そんなときにもこの10年ルールが活用できます。
子どもが小さいうちは壁紙を貼り替えてもすぐにまた、汚れたりします。ですから、多少のいたずら書きなどには目をつむったり、上記のように大きく破れてしまったらその周辺の不良品壁紙のみを再施工してもらい、残りについては10年を経る寸前のところで再施工をしてもらうことで、子どもが付けた傷やいたずら書きを一気に綺麗にすることができます。
壁紙はどうしても張りかえが必要になってくることを考えると、1回だけとは言え、10年目で一気に張り替えられるというのはある意味、かなりラッキーな話にもなるように思っています。
今回のEBクロスの不具合の症状でも書いたように、この不具合は紫外線による脆化の傾向が顕著です。そのため、おそらく紫外線が当たる箇所については早期に張り替えておいてもらいつつ、紫外線が当たらない部分については症状が出るまで待った方が良いかも知れません。
もちろん、生活者としての負担を考えると、手放しで喜べるものでは全くありませんが、それでも、私達生活者の都合を無視して不良だからすぐに張り替えさせてくれ、というような対応であれば不満しか残りませんが、10年という期間設定のおかげで、無償で一気に壁紙の張りかえを行って、家の壁紙を綺麗にすることができるというのは、かなり大きなメリットにもなるように思っています^^
とは言え、不具合による壁紙の全面張りかえは大きな負担であることに違いありません。しかし、ネガティブに考えるよりも、不具合をポジティブに捉えて「うまく使っていく」ぐらいの気持ちでいるのが、個人的には良いように思っています。
大日本印刷の補修によって保証を受けられる範囲
現在、壁紙の補修にあたって、分かっているだけでも保証を受ける範囲は単純な壁紙の張りかえだけではなく、
- 1日で終わらない補修工事の場合のホテル代
- ペットが居室にいてホテルに宿泊できない場合のペットホテル代
なども保証対象となっています。実際にはもう少し広い範囲の保証「ペットを飼育している場合ペットを移動しなければならない場合のペットホテル代等」もうけられると考えています。
このあたりはもう少し調査してから、まとめさせていただきます。
補修を受ける範囲についても「請求しなければ出してもらえない」という状況にあろうかと思います。
しかし、どこまでの保証を受けられるのかということを交渉するのは一般に強いストレスになります。最終的には「慰謝料」となってしまいます。しかし、今回のケースで慰謝料を受けることは極めて困難ですし、私自身は大日本印刷も、サンゲツも、一条工務店も慰謝料を支払うべきではないと思っています。また、おそらく慰謝料を支払ってもらうこともできないように思います。
別に私を信じてくれと言う分けではありませんが、私自身は今回のこの壁紙の大規模な不良品発生に強い関心を持っています。そして、私自身は大日本印刷等からどのような保証を受けられた方がいるのかを隠す必要は一切なく、私自身が確認できた様々な保証のケースをブログで全てオープンにしていくつもりでいます。
オープンになっている保証が受けられなければそれは、明らかに対応がおかしいと言う事になり、企業側が批判を受けます。よって、保証の範囲が安定すると思っています。ある人はホテル代を出してもらえて、別の人はホテル代を払ってもらえないケースや、キッチンが使用できない間の外食費を出してもらえたり、出してもらえなかったりということがあれば、それは不公平を生じ、強い不満に繋がるはずです。また、ホテル代一つ取っても、ある人は1泊家族で1万円と言われれたのに、別のお宅では1人1万円だったらクレームになるはずです。当然です。
ですから、どこまでの保証を受けられて、どこからは保証外になるのかはオープンに共有される方が結果的に不公平にならず、結果的に、不良品によって被害を受けてしまった方の多くに二次災害のような被害を予防できると考えています。
保証範囲がオープンにされることは顧客側だけ絵はなく、大日本印刷にとっても、そして一条工務店に撮ってもメリットがあると強く信じています。
そして、保証範囲がオープンにされることで、被害に遭われた方は、「この費用は請求できるかな?」とストレスを感じながら交渉する必要がなくなると思っています。お金の交渉は強いストレスになるはずです。例えば、キッチンが使えないからと言って、外食代を請求するのは図々しいから遠慮してしまう方は多いように思います。
私自身は、今回の保証範囲を調べますので、その情報をお待ちいただくことで、大日本印刷や一条工務店との交渉をスムーズに進められると思っています^^遅くとも1ヶ月以内には保証範囲について調べた結果を公表したいと思っています!
不具合に遭われている方、情報を下さいm(_ _)m
現時点では、不具合の症状等についての情報が不足しています。
もし、ご自宅で今回のEBクロスの不具合と同じような症状が出ている方などがいらっしゃいましたらお写真なども遭わせて情報をいただければと思いますm(_ _)m
メールで情報をいただける場合は[email protected]宛に情報を下さい。
また、このブログのコメント欄では画像も投稿できますので、そちらにアップいただいても結構です。
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裁判はやめておいた方が良いです
仮に勝っても何も得るものがない
今回の記事は一条工務店以外で家を建てられた方や、マンションを購入された方もお読みになると思っています。そのような方の中には交渉がこじれてしまって「裁判しかない」と考えている方もいると思います。
個人的には裁判はしない方が良いと考えています。
裁判をしても、勝つこと自体が極めて困難です。裁判の相手は大日本印刷になるかと思いますが、相手は年間売上高1.5兆円の超巨大企業です。当然、雇い入れる弁護士は大手弁護士事務所の優秀な弁護士となります。そして、弁護士は一人ではなく弁護団を構成して対抗してきます。そして、様々な調査に、ほぼ無尽蔵に資金を費やして、対抗された場合、正直、勝ち目はありません。
また、仮に勝てたとしてもメリットは皆無と思います。
今回、大日本印刷は情報をオープンにしていませんが、問題があることを顧客側から伝えてきた場合には施行したハウスメーカー、マンション等の境界を設けることなく、全て無償で保証するとしています。そして、補修の際のホテル代等も支払っています。唯一、慰謝料だけは支払っていませんが、壁紙が住宅の構造欠陥のようないわゆる「重大な瑕疵」とは認められることはまずないことを考えると、無償で全てを張り替えるという対応が、裁判に勝った場合に得られる限界と思います。そして、裁判をすれば、経年劣化による減価償却分は差し引かれるので、全ての壁紙の張りかえ費用のうち、いくらかは裁判で勝った側も支払う必要が出てきます。ホテル代等必要経費である程度相殺できても、せいぜいプラマイゼロが限界と思います。そして,裁判費用、弁護士費用は自己負担になりますから、実質的には大きなマイナスとなることが明らかです。
ですから、通常の裁判は無駄というか、ストレスを与えるだけで何も生み出さないため、選択肢にしないことを強くお勧めします。
大日本印刷が最も恐れていることは、おそらくは株価の下落、株主による追求と思います。。。
【追記】次の記事を書きました。
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大日本印刷EBクロス不具合について最新の情報を
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