こんばんは。さすけです\(^o^)/
昨日、家づくりの予算についての記事のお知らせをインスタに掲載したところ、一条工務店のキッチンカウンターの下にカビが生える現象が複数のお宅で起きているということを教えていただきました。
インスタの写真を拝見すると、カビの程度に差はありますが確かにカビが生えていました(゜д゜)
その多くがキッチンカウンターの引き出しの下側にカビが生えているようで、情報をいただいて早速我が家のキッチンカウンターの下を調べてみました。
今回、実際にカビが生えてしまったお宅の方に情報をいただいたり、また実際のカビの状況を詳細に確認した分けではないので、断定的なことは言えませんが、おそらくはカビが生えてしまった原因について考え、一つの結論に至りました。
カビ発生の原因は「一条工務店のキッチンカウンター設置の際にある作業指示書」にあると考えています。
今回、カビが大量に発生してしまったriri.mama23さんのお宅ではキッチンカウンターの交換対応ということになったようです。
一条工務店の保証対応としては適切な対応がとられているようです(交換に至るまでにはいつも通り色々とあったようですが。。。)
ただ、riri.mama23さんのお宅ほどのカビが出てしまうケースはおそらく希で、僅かなカビが出てしまったり湿度が異常に高くなってしまうというケースは想像以上に多く生じているように思いました。
ただ、そもそもなぜキッチンカウンターの内部だけに限定してカビが生えてしまったのでしょうか?また、万が一カビが生えるようなことがあった場合、次にカビが生えないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
一条工務店のキッチンカウンターの下でカビが発生?
実際にカビが生えてしまったお宅の状況
下はriri.mama23さんのインスタですが、riri.mama23さんのお宅のシンク下の引き出しの裏側にカビが生えているのがはっきりと見て取れます。
また、同じようにyuuiromamさんのお宅でもキッチンカウンターの引き出しの裏側にカビが生じ、さらにカウンターの下にしまっておいたものもカビが付着してしまったとのことです。
https://www.instagram.com/p/BmiRAjuBKpY/?utm_source=ig_web_copy_link
この他、インスタをざっと拝見させていただいただけで4軒のお宅でキッチンのシンク下にカビが生えてしまったという現象が確認できました。
築5年以上が経過していますが、我が家ではカビは確認できませんでした。
2軒以上で同じような現象が生じたらそれは偶然ではない
ネズミの際やタイルの不具合の際などこれまでブログで書かせていただいてきた一条工務店の施工上の問題に起因する不具合について、1軒のお宅だけで発生している現象は大工さんのミスであったり何らかの特殊な事情によって生じているケースもありますが、2軒以上のお宅で同時期に同じような現象が生じている場合、その原因は一条工務店の施工に何らかの問題がある可能性が高いと思っています。
今回も、そのような一条工務店の施工上の問題があることも視野にいれて、カビの発生メカにイズムについて考えていきたいと思います。
カビの発生原因はキッチンの排水管立ち上がり部分のコーキング不足だと思う
キッチンカウンター下のカビの発生は3つの要因に因っている?
最初に結論から言うと、キッチンカウンターの下にカビが生える要因としては3つの要因が絡んでいると考えています。
1つは、キッチンカウンターの下のコーキング不足、そしてもう一つは換気扇の稼働によってロスガードの吸気量と排気量のバランスが崩れていること、3つめは今年の異常気象です。
これだけではわかりにくいのでそれぞれについてまとめていきます。
なぜキッチンカウンターの内部がカビるのか?
キッチンカウンターの内部だけがカビるという状況はどういう状況になっているのかを考えます。
カビが繁殖するためには高温多湿の環境が必要です。具体的には、湿度80%以上、温度25℃以上の条件ではカビは非常に生えやすい状況になります。
キッチンカウンターの下でカビが生えてしまうと言うことは、キッチンカウンターの内部が高温多湿の環境になってしまっているということを意味します。
一条工務店の家は高断熱高気密を売りにしていることから、室内でこのような高温多湿の環境が生じることは通常考えれません。
室温については7月、8月であれば25度以上になることは極々一般にあり得ることですが、室内の湿度が80%にもなるなどと言うことはまず考えられません。
基礎と繋がるキッチンカウンター下の給排水管立ち上がり部分:湿潤な空気の供給源
湿度が80%にも達するためには、常時水分が供給されていなければそのような高湿度環境を維持することはできません。
今回、インスタでの報告を見る限りキッチンカウンターの下のみでカビが生じています。室内に湿った空気があって、それがキッチンカウンターの下に入ったという可能性はまず考えられません。
一条工務店の家の場合、夏場は基本的にエアコンで空調をされている方が大半と思います。エアコンで冷やされた空気からは水分が除去されてしまいますので、比較的乾燥した空気になります。そのため、カビを生じさせるほどの湿度を維持した状態でキッチンカウンター下に空気が流れ込むことは考えられません。
では、湿潤な空気はどこから入ってきたか?と考えると、「基礎内部の空気がキッチンカウンターの下に入ってきている」と考えるのが妥当と思います。
基礎の内部は外気そのものですから、夏の高温多湿な空気が滞留した状態にあります。
この高温多湿な基礎内部の空気がキッチンカウンター下に侵入することでキッチンカウンターの内部を常時高湿にします。
なぜキッチンカウンターの下に基礎内部の空気が入ってきてしまったかを考えると、「給排水管の立ち上がり部分」から侵入してきたと考えられます。
キッチンカウンターの内部には、給水管、排水管、電気ケーブルなどが基礎側から入ってきます。
下の写真は我が家の基礎の内部写真ですが、オレンジ色の配管が温水の配管、青が水道水の水道管、グレーのケーブルは電気ケーブルです。これらの配管や配線が白色の断熱材に突き刺さっているように見えるかと思います。
場所は違いますが、突き刺さっている部分を拡大した写真が下の写真です。
赤矢印の部分のように断熱材を配管類が突き抜けていることがわかるかと思います。こうして突き抜けた先にキッチンカウンターがあります。
この断熱材を突き抜ける配管部分にはどうしても隙間が生じます。この隙間を通じてキッチンカウンター下に空気が入っていると考えらます。
下の写真はとりさんのインスタ写真をお借りしたものですが、キッチンカウンター下の配管立ち上がり部分の写真です。
とりさんのお宅の配管の立ち上がり部分は非常に綺麗に施工されていますが、どれほど綺麗に施工をしたとしても赤矢印の先には数ミリの隙間が生じます。
この数ミリ程度の隙間については、通常はコーキング剤によって隙間を埋めるように施工されるケースが多いのですが、これまで私が拝見している限り「ざっくりとしたコーキング」がされているケースが多く、1mmの隙間も見逃さない程の徹底したコーキングが行われている例は多くはありません。また、コーキングが行われていないケースもしばしば見られます。
これらのことから、数ミリ程度の僅かな隙間が生じてるケースは相当程度に起こっていると思います。
数ミリの隙間があれば空気は十分に出入りすることができます。
一条工務店の家は高気密を謳っているのに隙間があるの?
一条工務店の家に隙間があると言うと、それは施工不良なのではないか?と思うかも知れませんが、施工不良ではなく仕様の範囲内です。
これはアリの侵入などでご相談をいただくことが多いのですが、一条工務店の家の気密の程度は確かに住宅の性能としては極めて高気密なものですが隙間はあります。
現在の平均的な住宅の気密性能は2.0㎠/㎡程度かと思いますが、一条工務店の住宅の気密性能はC値で0.61㎠/㎡となっており一般的な住宅の3分の1程度の隙間しかありません。
営業さん達も高気密で隙間の無い家であることをアピールします。
しかし、これはあくまで住宅の性能としての隙間の大きさで、例えば延べ床面積35坪(約100平米)の住宅を考えてみると、隙間の大きさは住宅全体で61平方センチ程度あることを意味しています。61平方センチというのは、ざっくり8cm四方の正方形の大きさで、住宅の大きさを考えると十分に高気密と言えます。
一方で、仮に直径3cmの配管の周りに1mmの隙間が空いていた場合の隙間の面積は2平方センチメートルです。
仮に、キッチンカウンター下の温水・冷水の上水管の配管の周囲に全くコーキングがされていなくても、4㎠の隙間しか生じないのです。一条工務店の気密性能を達成する為には他の場所でさらに57平方センチメートルの隙間があってもC値=0.61は達成できます。
コーキングを軽くするだけで隙間の大きさは1㎠程度に縮まります。こうなってくると気密測定でもほとんど影響のない値になります。
しかし、1㎠の隙間があれば、基礎の内部からのキッチンカウンター下への空気の侵入は十分に行える程度に発生します。
そして、この僅か数平方センチの隙間を通じて基礎の内部にある高温多湿の空気がキッチンカウンター内部に侵入してきたと考えられます。
ロスガードのバランスが崩れている(換気扇が付いている等):要因2
しかし、一条工務店の住宅はロスガードが付いており室内は室外に比べて陽圧、すなわち気圧がほんの僅かに高い状態になっています。
ロスガードが適切に稼働していて、室内が陽圧になっていれば、仮にキッチンカウンター下に僅かな隙間があったとしても室内の空気が基礎側に抜ける方向に空気が流れ、基礎内の空気がキッチンカウンターの内部に入ってくることはありません。
しかし、実際にカビが生えたりシンク下が結露するという現象が生じていることから、ロスガードの給排気のバランスが崩れてしまっており室内が陰圧になって、基礎側から室内側に空気が流れてしまっていると考えられます。
ロスガードの給排気のバランスが崩れてしまう要因として、もちろんロスガードの設定の問題もあり得ますが、最も大きな要因としては換気扇の影響が大きいと考えられます。
キッチンの換気扇は極めて強力に室内の空気を室外に排気します。強い力で室内の空気を室外に排出するとロスガードがあっても室内は陰圧になり、キッチン下の隙間から基礎内部の空気が流れ込んできます。
ここからはかなり推測ですが、一条工務店の家には標準で食洗機が付いています。そのため、夜料理をするときに換気扇を付けて、食事が終わって洗い物を食洗機に入れて、深夜に食洗機を動かし、翌朝食洗機の中の食器や鍋をキッチンカウンターの下やカップボードに片付ける方が多いかと思います。そうすると、料理中に換気扇を付けたことでキッチンカウンター内部に侵入してきた高温多湿の空気は、翌朝までキッチンカウンターの内部に滞留した状態となってしまい、カビが生じやすい状況が生じていると考えられます。
第三の要因:今年の異常な暑さ
ここで1つの疑問が生じます。i-smartの販売が開始されてから5年以上が経過しました。
これまでキッチンカウンターの内部がカビやすいという話はあまり聞いたことがありません。なぜ今年に限って多くのカビの事例が生じているのでしょうか?
これまでもカビは生じていて、偶然、1人の方が発見されてそれをインスタで報告されたことで多くの方が意識するようになった結果として、今年問題が明らかになったという可能性もありますが、今年の異常な夏の暑さも要因になっているように思います。
下の表は気象庁のサイトで確認した7月20日の1時間毎のつくば市の気温と湿度を示した表です。湿度は一番右に示されており、湿度が80%~90%であったことがわかります。そして、注目すべきは「露点温度」の高さです。つくば市の7月20日の露点温度は概ね25℃前後であったことが分かります。
露点温度とは、この温度を下回ると結露が生じる温度です。7月20日のつくば市の外の空気は25℃以下に冷やすと結露が生じいるということを意味しています。
一条工務店の家では常時エアコンを稼働させて室温を快適な温度に保っている方が多いかと思います。仮に室温が27℃だったとすると、基礎内から空気が入ってきた場合その空気は湿度は90%以上になります。
1年前の同じ日のつくば市の湿度についてはやはり80%から90%と高くなっていますが、外気温がそれほど高くはないため露点温度は概ね22℃~23℃程度に留まっています。
一般に温かい空気は冷たい空気よりも多くの水蒸気を含むことができます。今年は例年に比べて日中夜間を通じて高温であったことから、例年に比べて空気中の水蒸気量が多くなっていました。
例年よりも水蒸気を多く含んだ基礎内部の空気がキッチンカウンターの下に侵入してきて、高断熱高気密であるが故にエアコンで空調された室内で空気が冷やされることで極めて高湿度になってしまったと考えらます。
結果として、これまでも一条工務店のキッチンカウンターの下に隙間があり、また、換気扇等の稼働によって基礎内の空気が侵入してくることはあったけれど外気の水蒸気量がそれほど多くなかったためカビが生じるまでには至らなかったものが、今年の異常な高温のため空気中の水蒸気量が増加し、これまでは顕在化してこなかったキッチンカウンター下の高湿度化が加速し、カビが生じることで問題になった、というのがカビ発生のメカニズムであろうと思います。
自分の家でカビが生じやすいのか、生じにくいのかを確認したい
換気扇を最強にして、配管の立ち上がり部分に手を当ててみる
自分の家でキッチンカウンター下にカビが生じてしまわないか心配な場合は、換気扇を一番強くして、キッチンカウンター下の水栓の立ち上がりに手を当ててみたとき空気の流れを感じるかを確認してみるのが簡単です。
仮に基礎側から空気が入ってきていたら何もしないと、今後カビが生じてしまう可能性があります。
ただ、これまで問題がなければそれほど神経質にならなくても大丈夫です^^
カビが生じないようにするためにはどうすれば良いか?
まずはしっかりとしたコーキング
既にカビが生えてしまったという場合や、上記のチェックで空気の流れを感じるような場合は、改めてコーキングをしっかりとしなおして隙間を完全に塞いでしまえばカビを生じさせる湿潤な基礎内の空気がキッチンカウンター内部に入ってくることを防止できるかと思います。
家を建てたばかりであれば営業さんや監督に言えば対応をしてくれるかと思いますし、ホームセンターなどで売っている発泡性のコーキング剤を自分で吹き付けて穴を塞ぐこともできます。
上の写真のインサルパックGS360という発泡性のコーキング剤は一条工務店の監督なども持ち歩いていますし、ホームセンターでも買えます。
夜寝る前にキッチンカウンターの下を何度か開け閉めする
キッチンカウンターの下は狭いため、僅かな湿潤な空気によって高湿度になってしまいカビが生じやすい環境になってしまいます。
これを回避するためには、夜寝る前にキッチンカウンターの引き出しを1つを開けた状態で寝て、翌朝閉めるだけで高温状態が長期間維持されることを防止できます。
湿潤な空気が室内に流れ込むことで室内がカビてしまわないか心配に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、配管立ち上がり部分から侵入してくる基礎内の空気の量は、室内全体の空気の量に比べれば極々僅かです。そのため、室内全体の湿度を上げる程に湿潤な空気が侵入してくることは考えられないため、室内がカビてしまうようなことはまずあり得ませんので安心してください^^
開けっぱなしにするのは見た目も悪いですし、つまづいてしまったりして危険ですから、一晩開けっぱなしにしなくても、例えば料理が終わって食事の片付けをする際に、下の写真のように大きな引き出しを1~2回開け閉めするだけでもキッチンカウンターに貯まった湿った空気が室内に放出されるのでカビはほぼ防げるかと思います。このとき換気扇は必ず止めておいて下さい。
一条工務店さんにお願い
キッチン下のコーキングチェックを
きちんと確認した分けではないのですが、現在の一条工務店の施工指示書では、キッチンカウンター下の配管立ち上がり部分にコーキングをすることは作業指示に入っていないかと思います。あくまで、気密測定の際に気密漏れがあるようであればコーキングをするという程度の指示になっているかと思います。
しかし、キッチンカウンターの下は体積が少なく、基礎内部の湿潤な空気が侵入することでカビが生じやすい環境にあります。さらぽか空調などが普及していけば、この問題はさらに大きくなるかと思います。
そのため、気密維持という観点ではなく、カップボード下のカビ防止という観点から、大工さんや監督などに作業指示として、キッチンカウンター下のコーキングは他の場所に比べてより徹底して行うよう指示をすることで、将来このカビの問題が拡大してしまうことを防止できるかと思います。
キッチンカウンターに換気口を設けては?
これはキッチンカウンターそのものの仕様を変える対応ですので、すぐに対応をすることは難しいかと思いますがキッチンカウンター内部と室内を繫ぐ部分に小さな換気口を設けてはどうかと思います。
今回のカビの問題は今年の異常気象が大きく関係していると思います。このような異常気象が今年限りのことであればその場その場での対応でも問題ないかも知れません。しかし、住宅の高断熱化をすすめ、さらにさらぽか空調のように24時間冷房を導入していけば結露によって生じるカビの問題は無視できないものとなるかと思います。
特にキッチンは食器類のように口に入るものを扱う場所ですのでカビは特に嫌われます。キッチンカウンターに入れておいたものがカビで真っ白になってしまうようなことがないようにするためには室内の温湿度とキッチンカウンター内部の温湿度を同じにしてしまうのが最も簡単な対応です。
そのためには、キッチンカウンター内部の空気がカウンター内部に滞留しないように換気口を設けておくのが簡単と思います!