こんばんは。さすけです。
一条工務店で太陽光発電の設置の話をしていると必ず夢発電の話が出てきます。夢発電は「返済期間10年、固定金利1.5%で太陽光発電設置にかかる費用を融資してくれる仕組み」です。
多くの方はある悩みを抱えることになると思います。
夢発電を使うか?銀行ローンに組み込むか?
という悩みです。今回は先日作ったExcelシミュレーションは無料で配布していますので
[kanren postid=”5372″]からご自由にダウンロードをお願いします。
結論から言えば、2015年以降は夢発電を使うよりもフラット35などの住宅ローンを使う方が経済的に有利な状況となっています。夢発電を使うメリットは下記に示すように、住宅ローンの借入枠に制限がある方が、住宅ローンの借入枠を気にせずにソーラーパネルを設置する目的以外には使わないことを推奨します。
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夢発電とは何か?:夢発電とはローンの一種です。
そもそも夢発電とは何でしょうか?一条工務店のWebサイトでは、夢発電を使えば初期費用0円で太陽光パネル設置ができる!と宣伝されています。これは間違っていません・・・
しかし!!
これを初期費用0と言うなら銀行で借りる住宅ローンだって初期費用0です。(実際は諸費用がかかりますが・・・)間違ってはいけないのが、夢発電はローンです。借入先が銀行か、一条工務店かという違いに過ぎません。
ローンである以上金利がかかりますし、将来返済していく必要もあります。宣伝の仕方はちょっと・・・と思いますが、そのことを置いておけば夢発電は顧客にとってメリットのある良い仕組みだと思います。
夢発電の仕組みは住宅ローンに比べて何が優れているのか?
借入枠を気にせず借り入れが可能
夢発電の優れている点は住宅ローンの借入枠を消費しない点にあります。
例えば太陽光パネルを設置したいと考えている顧客がいるとします。銀行の融資限度額3000万円のとき、普通なら、3000万円の中で太陽光パネル設置費用をやりくりする必要が出てきます。そうなると、家の建設費を削らざるを得ないです。そこで、お客さんには3000万円の限度額いっぱいで建物を建ててもらい、太陽光設置費用は一条工務店が融資しようという仕組みです。
夢発電はオーバーローンを招くか?
ちょっと待て!!
そんなことをしたらオーバーローンになってしまうではないか!
銀行は顧客の収入などを考慮して、支払い可能な融資額を決定しているのだから、一条工務店がさらに融資を行えば、オーバーローンになってしまうのではないか??この批判は掲示板や他のブログでもたくさん見かけました。
一条工務店は自分の会社が利益を得るために顧客に過度なローン負担を強いるけしからん会社だ!!
当然の疑問です。しかし、実際には夢発電で借り入れたお金はオーバーローンにならない(なりにくい)仕組みだと思います。
この仕組みを考え出した一条工務店の担当者は太陽光発電パネルは、お金を生み出すことに注目したのだと思います。
なぜ夢発電はオーバーローンにならないのか?
一般的にサラリーマンの収入は
年収=給与所得
となります。しかし、太陽光発電パネルを設置すると
年収=給与所得+売電による利益
となります。銀行は給与所得に対してだけ融資をしてくれます。それに対して、一条工務店は売電による利益のみに対して融資をしています。結果として、銀行と一条工務店は異なる収入に融資をしている事になり、顧客はオーバーローンにはなっていないのです。
一般に銀行は、顧客の前年度の収入に対して融資額を決定します。将来の収入増などと言う不安定なものに融資はしてくれません。それに対して、一条工務店は将来の収入増、しかも自社で作った太陽光パネルなのでどの程度の収入増になるかある程度予想できます。夢発電はこの「売電による利益」に対して融資をする仕組みになっています。これは、銀行が見ない部分に着目した金融商品であり、非常に面白いと思います。また、顧客が1%の金利を支払って、わざわざ一条工務店にもうけさせなくても・・・という意見もいくつか見かけましたが、一条工務店も顧客が何らかの理由で支払えなくなるリスクをとっている以上当然の金利です。
しかも、太陽光発電による売電利益は本来はないはずの収入です。と言うことは全額返済に回しても問題がないと言うことになります。そのため収入に対するローン額は上昇しないので実際にオーバーローンになる可能性は低いシステムになっていると理解できます。
夢発電は本当にオーバーローンを招かないのか?
一時的には100万円近いオーバーローンを招くこともある
そうは言っても、住宅ローンを借り入れている身としては、
本当にオーバーローンにならない??
と言う点は気になる点です。実際には、夢発電がオーバーローンになることがあります。どういう場合にそのようなことがおこるのでしょうか?
下は、夢発電を利用して5kWの太陽光パネルを搭載した場合の収支シュミレーションです。
縦軸が収入、横軸が経過年数です。16年目で収支がプラスに転じることが分かります。16年目以降の売電は一条工務店の言う「発電貯蓄」に当たります。
ここで見るべきは15年目までの経過です。赤い部分は太陽光発電による売電を超える夢発電の返済が発生し、結果的に赤字になっていることを示します。
5kWの搭載では、太陽光発電による売電額以上の返済が必要なため、結果的に10年間の赤字が続きます。そして、10年目以降は支払いが終了していますのでプラスに転じます。
赤字は最大で70万円程度まで膨らむことが予想されます。この70万円は給与所得の中から持ち出す必要があります。よって、銀行から限度額いっぱいの借り入れをしている場合、5kW搭載の場合は70万円がオーバーローンとなる可能性が示唆されます。
オーバーローンを防止するにはどうすれば良いのか?
しかし、このことによって夢発電が悪いシステムであることは示していません。
なぜなら、5kWの太陽光パネルを搭載するためには、補助金を差し引いても約200円程度の投資が必要となります。仮に銀行ローンであれば、限度額に200万円の余力が必要になります。
しかし、夢発電をつかうことで、余力は70万円あれば良いことになります。このシミュレーションはまだ未完成で固定資産税が安く計算されている可能性がありますから、余裕を見て100万円の支払い余力を残しておけばオーバーローンになる心配は低いと言えます。
ということは、夢発電は銀行ローンに対して、半分の支払い余力で比較的安全に太陽光発電パネルを導入できることを示しています。
銀行住宅ローン v.s. 夢発電
追記:2015/3/28
2015年以降は住宅ローンの借入枠に問題がない場合は、ソーラーパネル代金の支払には夢発電を使うよりも住宅ローンを増額して対応することが推奨されます。
詳細については
[kanren postid=”9592″]をご覧下さい^^
まとめ:夢発電を使う上での注意点
- 夢発電は初期費用は0だが、その後の支払い過程で赤字になることがある。
- 銀行ローンで組んだ場合よりも低い支払い余力で太陽光発電パネルを導入できる。
- ただし、太陽光発電パネルの搭載量が少ない場合は、オーバーローンにならないよう十分な注意が必要
- オーバーローンを避けるために、5kWの太陽光発電パネルを搭載する場合は、10年後までに100万円程度の支払い余力は必要
夢発電は初期費用は0円ですが、その後の支払いによって費用が発生することがあります。よって、銀行ローンの限度額いっぱいで借り入れをしている場合は、オーバーローンになる可能性があります。よって、夢発電を利用する場合は銀行ローンの限度額いっぱいではなく、将来の支払いに対する支払い余力を残して銀行から借り入れをしておくことが重要です。
個人的に思うのは、夢発電システムは顧客にもメリットがある良い仕組みだと思います。しかし、宣伝の仕方の問題から、誤解が生じやすいシステムでもあります。また、銀行と一条工務店の双方は独立して融資を行うため、自分でリスクを管理することが重要です。しかし、夢発電をうまく利用すれば、非常に良いシステムです。