一条工務店に決めるまで(上)~木の城たいせつ\(^o^)/

こんばんは。さすけです\(^o^)/

いや~先日の大雪はすごかったですね~^^;;これはこれでまた次の機会にブログに書きたいと思っています。

先日、コメントで「なんで一条工務店を選んだの?」という質問をいただきました。

で、自分のブログを見返してみると、「一条工務店を選んだ経緯」や「一条工務店に決めた経緯」というのを書いていなかったことに気が付きました。。。( ・_・;)

私が一条工務店と契約したのは2011年6月ですから、すでに2年半が経過してしまっています。。。

私がハウスメーカーを選んだ経緯はあまり参考にならないと思うので、書いていなかっただけだったりするのですが、せっかくなので書いておこうと思います。3回シリーズの予定ですが、途中で他の記事を挟むかも知れません。

突然ですが、「木の城たいせつ」というハウスメーカーをご存じの方はいらっしゃるでしょうか?
北海道を家を建てている方だったらご存じの方もいらっしゃるかも知れません。
で、私の家造りの基礎というか、原点というか、そんなものがこの「木の城たいせつ」というハウスメーカーにあります。

木の城たいせつ

木の城たいせつは、北海道のみで建築を行っているハウスメーカーですので、ご存じない方が多いと思います。

ここで言う木の城たいせつというハウスメーカーは今ある「木の城たいせつ」ではなく、2008年に倒産してしまった木の城たいせつのことです。現在事業を行っている木の城たいせつは、倒産した木の城たいせつの事業を大阪のハウスメーカーである「創建」というメーカーが事業を引き継ぐ形で経営している企業であり、新しい木の城たいせつがどのようなハウスメーカーであるのかは全く知らないのでその点はご了承下さい。

以下では特に断りがない限り、2008年に倒産する以前の木の城たいせつのことを指しています。

木の城たいせつは北海道で約2万棟の住宅を建築した実績を持つハウスメーカーでした。

北海道ではかなり頻繁にテレビコマーシャルも流していたらしく

こんなコマーシャルを記憶されている方もいらっしゃるかも知れません。

私の家造りの原点はこの木の城たいせつにあります。

話は2003年までさかのぼります。

2003年、私はまだ大学院の学生でした。当時、私の指導教官だった先生が先進的な取り組みを行っている企業を表彰する賞の選考委員長を務めており、その補助をアルバイトとして行うことになりました。

その賞に応募してきた1社が、この木の城たいせつでした。

賞の選考のために、木の城たいせつのことを調べる機会があり、私はそこで木の城たいせつの存在を知ることになりました。

木の城たいせつは、1950年に山口昭さんという宮大工として修行されていた方が創業された工務店でした。

北海道は関東地方や中部、関西圏のようないわゆる温帯地域ではなく、亜寒帯に属する地域になります。木の城たいせつのおおきな特徴は「亜寒帯に特化した家づくり」を推進してきたことにあります。

北海道や東北の方にとっては、屋根からの雪下ろしというのは大変な作業と思います。そのような中で、1970年頃に「雪下ろしの必要ない家」いわゆる無落雪屋根を開発し、木の城たいせつはこの無落雪建築専業メーカーになりました。

木の城たいせつ、という変な名前^^?の「たいせつ」は元々は「耐雪」から来ており、これを様々なものを大切にするという考えとあわさって、「たいせつ」というひらがなの名前になったそうです。

さらに、当時の北海道の住宅業界では「冬は休み」というのが当たり前でした。「冬は休み」というのは、裏を返せば「冬は無職」になってしまう大工さん達がたくさんいたことも意味しています。

冬が休みでは得られる収入も限界があり、それが生活を豊かにすることを阻害していました。そこで、先の山口昭さんは、非常識と考えられていた北海道での通年施工に踏み切りました。

その後も、北海道の地域活性化に向けて地産地消を推し進めるため、建築木材に北海道産の木材のみを使用したり、耐久性を高めた100年住宅の実践、高断熱高気密住宅の施工と言った、当時の常識とはことなる住宅建築を行っていました。

1992年には、国連が主催した環境と開発に関する国際連合会議において、「持続可能な開発を実践する21世紀のモデル企業」として紹介され、北海道以外、世界的にも注目される企業に成長していました。

で、私は2003年にアルバイトで受けた木の城たいせつの調査の関係で、夕張にあった木の城たいせつの本社に行き、創業者の山口昭さんから直接お話しを聞く機会と、木の城たいせつのモデルルームに宿泊する機会を得ることができました。

山口昭さんが話す話の中でも、高断熱高気密住宅へのこだわりについての話は非常に興味深いものでした。北海道において、家1軒を暖房1台で温めることができるという話をされていました。

最初、賞の応募資料に記載されていた暖房一台で北海道の家を1軒温めるという情報は、正直胡散臭いと思っていました。。。

胡散臭いとか言うとなんですが、こういった賞には「永久機関を開発した」や「元素を分解する微生物を開発した」といった応募が結構あるのです。。。

科学的にあり得ないと判断した物は現地調査まではしないのですが、それでも科学的に否定できずしっかりとした資料であれば調査はしていました。。。。

それでも現場に行ってみると、書いてある内容とは全然違ったり、はたまた、まだ実際にはできていなかったり等と言うことは多々ありました。一方で、自分は半信半疑で、できるはずがないと思っていたものが、実際に存在したときのうれしさというのは非常に大きかったです^^

私が夕張を訪れたのは確か2月だったと思います。外気温は氷点下10度でした。

そのような地域で、暖房1台で家を温めるなどと言う話は、「高気密高断熱」などという言葉も知らないような人間には全く信じることができなかったのです。

その日の晩は、木の城たいせつの3階建てモデルルームに宿泊をさせてもらいました。

かなり大きなモデルルームで、リビングも30畳近くあったと思います。しかし、暖房は1Fの部屋に置かれた蓄熱暖房(だったと思います?)1台だけでした。ぶっちゃけ、他にも予備暖房が行われているのではないかと、探してみましたが見つけることはできませんでした。。。

蓄熱暖房機が1台だからと言って、その周辺だけが暑くて3Fの部屋にいったら寒いかというとそのようなことは全く無くて、確かに蓄熱暖房機の周りは少し温かっ他と思いますが、3Fの部屋も非常に暖かく快適でした。その晩はぐっすりとよく眠れました。

翌朝、起きて顔を洗って、歯磨きをしたところで、

将来自分も家を建てるなら「木の城たいせつ」に家を建ててもらいたい!

と考えていたのです^^;←タンジュンデス^^;;

創業者の山口昭さんに関東地方では施工はしないのかについて聞いたところ、北海道限定で施工を行っていくという話でした。

が、これほど素晴らしい住宅であれば、いずれ関東地方にも進出してくるに違いない、自分が家を建てるのはまだまだ先のことだし、それまでには私が家を建てる地域に進出してくるかも知れない、そのときは是非お願いしたい。そんなことを考えていました。

そんな経験があって、私は高断熱高気密住宅に強い興味を持っていました。

その後、木の城たいせつには当時の総理大臣であった小泉純一郎氏なども訪れるなど、かなり注目をされ、もしや関東に進出してくるのでは?などと考えていました。

んが!2008年、木の城たいせつは資金繰りの悪化により110億円以上の負債を抱えて倒産をしてしまいました。。。

私は単にニュースで情報を知っただけですが、その後の状況などを調べると、かなり悲惨な状況だったようです。当時建築途中だった住宅は370軒ほどで、それらの方には支払い済みのお金のうち15%程度しか返金されない状況にあったようです。住宅完成補償制度は使用していなかったようでした。。。

倒産から1年を経て、2009年に大阪にある創建という戸建て分譲を得意とするビルダーが、木の城たいせつの事業引き継ぎを名乗り出て、最終的には施工途中であった住宅の施工も完成させることを保証したようでした。

しかし、1年もの間、生きた心地もしないような状態におかれた施主の方達の心中は計り知れないものと思います。

私がハウスメーカーを選ぶ際に重視した条件

そんなことがあって、私は自分が家を建てるときの条件として

・ 高断熱高気密住宅であること

木の城たいせつとの話の中でQ値という数値が出ており(確か1.4程度だったと記憶しています)、このQ値を一つの指標として家探しを考えることにしました。

・ 倒産する可能性が十分に低いこと

木の城たいせつの倒産を見て、家を建てている途中や建てた後であってもそのメーカーが倒産してしまうことが非常に怖く感じていました。

そんなことを考えていたのですが、私達家族も家を建てよう!と言うことになりました。

当時、研究などでも少し関わっていた「太陽光発電」に強い興味を持っていました。2011年当時は、太陽光発電の固定価格買取制度もあり、計算上、パネルを多く乗せれば乗せるほど利益が出ることも理解していましたので、通常は3-4kWのパネルが一般的な中で、

・ 7kW以上のソーラーパネルを乗せたい

というのも家を建てる上で一つの重要な条件になっていまいました。そして、

・ 手間が掛からない家

というのも重要な条件として考えていました。手間が掛からないというのはメンテナンスはもちろん、生活する中の様々な場面において手間がかからない家を理想としていました。この「手間がかからない家」というのはハウスメーカー選びよりも間取りの作成で非常に重視していた項目になります。

妥協する項目も決める

高断熱高気密、倒産しない、7kW以上のソーラーパネルが載せられる。それでいて手間が掛からない家が欲しい、これらが、私の住宅選びの基礎となりました。

これに追加して妻の要望も取り入れ、さらには私の考えとして、できる限り「先進的な機能」を盛り込み、将来出てくる様々な先進的な住宅機器に対応可能な住宅を建てたいなどとも考えていました。

一方で、要望ばかりを挙げても、どこのハウスメーカーや工務店も選べないと思いました。もちろん安くて、すぐに手に入れば言うこと無しですが、そういうことを言い出しても切りがないだろうとも思っていたのです。

そこで、「妥協しても良いこと」を決めました。

妥協ポイントは

・ 納期

・ 予算

の2つでした。納期については、私達は全く急いでいませんでした。何年も先では困りますが、例えば家が建つのが1年先になっても特に問題はありませんでした。

次の予算、これも「安ければ安いほどよい」というのはそれは気持ちとしてはありました。しかし、最初に挙げた3つを満たしてくれるならば、多少値段が高くてもそれは良いと考えました。

というのも、ぶっちゃけ家を買うには住宅ローンを組むしかありませんでしたし、幸い金利も安かったこともあり、安ければ安いに超したことはないけれど、安いことを理由にして最初の3つの項目を妥協しないことを決めました

こうして、先に挙げたハウスメーカー選びで重視する項目は一切妥協するつもりが無い一方で、納期と予算の2点については、必要に応じて臨機応変に対応する方針をとることに決めました。

この「妥協する気が無い項目」と「妥協しても良い項目」を決めておくというのは非常に良かったと思っています

次回書かせていただきますが、一条工務店以外のいずれのハウスメーカーでも「値引きの提案」というのがありました、しかし、私に取っては最初から「価格は妥協する」と決めていたので、正常な判断をすれば非常に魅力的な値引きの提案も全て断ってしまいました。

家づくりという、金額的にも経験的にも非日常の中で、冷静な判断を行う上ではこの「妥協する項目を決めておく」というのは、非常に良かったと思っています。

次回は、実際にいくつかのハウスメーカーを回ったときのことを書きたいと思います\(^o^)/

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