こんばんは。さすけです\(^o^)/
私が一条工務店に決めるまでの経緯について前回からの続きです^^
前回の記事で書いたとおり、私が家をお願いするハウスメーカー・工務店を選ぶ基準は以下の4つでした。
・ 高断熱高気密住宅であること
・ 倒産する可能性が十分に低いこと
・ 7kW以上のソーラーパネルを乗せたい
・ 手間が掛からない家
この4つを満たしてくれるハウスメーカーを探し始めました。
中小工務店 v.s. 大手ハウスメーカー
実際、家を建てると言ってもどうやって建てて良いのか全くわかりませんでした。
最初に考えたのは
大手ハウスメーカーにするか、中小工務店にするか
でした。
この結論は比較的簡単に出ました。結論は大手ハウスメーカーに絞って考える、という事でした。
理由は非常にシンプルで、中小工務店は倒産のリスクが怖い、と考えたからです。
これには異論もあるとは思いますが、私の父はいわゆる中小企業の経営者でした。そして、その父の友人や取引先が倒産したという話を、それこそ物心が付いたころから聞かされ続けてきました。
だから、中小は危ないとは言いません。中小であっても、長年地元で経営をしている工務店は山ほどあります。しかし、中小工務店は倒産するその日まで経営実態を知る術がないこともわかっていました。
地元工務店だからこそ、手抜きをしないという論法も、その企業の経営実態が健全な状態であればこそです。内状が火の車であれば、利益の確保を優先してなんとかして自分の会社を生き延びさせようとするのも中小企業の経営者の心の内にある真理と思います。そして、その内状は決して外部には漏れてこないのです。もしも、顧客に内状が漏れてくるようなことがあれば、それはすぐにでも取引先銀行に知られることとなり、取引先銀行が悲惨な内状を知れば融資は無情に引き上げられてしまいます。そうなればその時点で中小企業は倒産します。
ですから、中小工務店と取引をすることは常に倒産のリスクを気にしなくてはいけないと考えていました。
中小工務店で家を建てれば、おそらく大手ハウスメーカーよりも安い値段で同じ品質の住宅を手に入れられるとも思いました。しかし、木の城の例にもあるように、お願いした工務店が倒産したら、悲惨なことになることもわかりきったことです。
もちろん、工務店が完成保証保険に加入していることを確認すれば、倒産して家が建たないと言うことだけは避けられます。しかし、私は高断熱高気密という、あまり多くの工務店が手がけているとは言えない分野の家を望んでいました。これは、当時の私の考えで実際はわかりませんが、そのような特殊な要望を、倒産後に引き継いだ工務店がきちんと施工してくれるとは全く思えませんでした。
逆に大手だから倒産しないわけでもありません。大手とは言わないまでも、富士ハウスのように倒産してしまうハウスメーカーもあります。
ただ、大手ハウスメーカーは現在の経営状態が良いのか、悪いのか、近年成長しているのか、安定しているのか、衰退しているのか、そのような傾向であれば容易に知ることができます。
上場企業であれば有価証券報告書によって簡単に知ることができますし、非上場であってもOrbisデータベースや未上場版の会社四季報など、いくらでも経営状態を知る手立てがあります。また、東洋経済新報社やダイヤモンド社などによる独自調査によっても経営状態を知ることができると考えました。これらの情報により、10年後にその企業が存続しているかを判断することはできません。でも、今まで自分が勉強してきたことなどから、少なくとも数年以内に倒産しないことであれば判断ができると思っていました。
そんなわけで、私の中で決めていたルール「予算は妥協する」でも、「倒産する可能性が低いこと」については妥協しない、というルールに従って、「経営状態が健全な大手ハウスメーカーにお願いする」という方針を立てました。
ここで誤解しないで欲しいのは、決して工務店を否定するものではないということです。小さな工務店だからこその良い面というのたくさんあると思っています。
一方で、中小企業はその業種にかかわらず、外的変化に非常に脆弱である事は間違いないと思っています。これは経営者の手腕による部分も大きいので当然例外は存在します。しかし、全体を見たときには、例えばリーマンショックのような経済危機による影響は、大企業であれば手持ちの現金で数年凌ぐことができるかも知れませんし、仮に「大赤字」になったとしても銀行等による救済が期待できます。
個人的には、大企業に限定した救済措置は当然の結果とは思っています。大企業を倒産させることは国家にとって非常に大きなリスクとなります。例えばリーマンブラザーズ(負債総額64兆円)が破綻したことが世界全体に与えた影響や山一証券(負債額3兆5000億円)が倒産したことが日本経済に与えた影響を見れば明らかと思います。
その他の業種でも、製造業ではエルピーダメモリ(負債額4500億円)、日本航空(1兆5000億円)の破綻などが挙げられます。建設関係では2009年に穴吹工務店が負債総額1400億円で倒産しています。
一方、中小企業が倒産の危機に瀕した場合は銀行から一気にお金が引き上げられ倒産が加速されるのが一般的です。。。。そして、倒産した企業が継続することは非常に稀です。
しかし、大企業の場合はその負債額がどれほど大きくても、倒産企業の大半はその後、税金の投入、他企業による買収等々によって事業が継続されるのが一般的です。
例えば、先の日本航空やエルピーダメモリは税金が投入され事業が継続されました。戦後最大の倒産であった協栄生命はジブラルタ生命保険が保険を引き継いでいます。また、先の穴吹工務店も大京の完全子会社として存続しています。正直、いわゆる大型倒産の中で本当に跡形もなく消えてしまった企業を探すことの方が難しいと思います。
こういったことが感情的に許せない部分があることは理解できますが、一方で、合理的に考えた場合、いわゆる大企業には、人や特許と言った無形の資産が多く蓄積されており、これをほしがる第三者がいるのはある種当然と思います。また、影響の大きさを踏まえて税金が投入されることもある程度理解できます。
このようなことから私は、大企業は倒産しないわけではなく、倒産しても事業が継続される可能性が非常に高いと思っています。
そんなわけで、私はいわゆる大手ハウスメーカーを中心に探すことに決めました。
そこで、まずは住宅展示場に行くことにしました。
以下、具体的に私が検討したハウスメーカーを書きますが、あくまで私の考えであって、これらのハウスメーカーを批判するものではありません。また、私はおそらく、多くの方よりも「性能」を重視する傾向にあり、「デザイン」と言う部分をかなり無視してしまう傾向もあります。これは単に私自身の評価基準に合わなかったと言うだけで、評価基準の異なる方に取っては全く異なる結論になる点にご注意ください。
パナホーム
最初に入ったのはパナホームでした。
パナホームを選んだのは、パナソニック系列であれば太陽光発電の大容量化に対応していると考えたのと、高断熱高気密も暖房機器の省エネに力を入れているパナホームであればやっているのではないか?と考えたためです。
パナホームの展示場に入ると、内装などは良い印象を持ちましたが、高断熱高気密に興味があるという話をしても「うちの家は温かいですよ~、パナソニック系列ですから省エネ型の冷暖房も取り付けられますし」というだけで、それ以上の説明をしてくれませんでした。
何かもっと根拠になることはないかと聞いたら、「住んでいただければわかります」と言われて、話が通じないという印象を受けました。また、太陽光発電を7kWは載せたいと話したところ、「そんなに必要ないです、普通は4kW程度です」と言われてしまいました。必要か必要でないかはこっちが判断することじゃない?と思った事を憶えています。
パナホームには3回ほど通いましたが、パナホームの得意な部分ばかりを説明されて、私の興味にきちんと向き合ってくれることがなかったためお断りすることにしました。
今ならば、Eco Cordisという私の興味に近いブランドもあるので、もう少し話を進めていたかも知れません。ただ、やはり今でも高断熱高気密住宅は施工してくれないようなので、多分選択はしなかったと思います。
桧家住宅
次に入ったのが、アクアフォームという吹きつけのウレタンを断熱材を使用している桧家住宅というハウスメーカーでした。
こちらのハウスメーカーは発泡ウレタンを吹き付けて施工するため、「断熱性能が高い」ということを売りにしています。また、住宅価格自体もパナホームに比べると安くなっていました。
ただ、こちらもパナホームと同様、私が聞きたかった断熱性に関する情報にはほとんど回答してもらうことができませんでした。というか、元銀行員だったという前歴の営業さんで、ローンの仕組みなどについて詳しく説明するばかりで、桧家住宅の「住宅としての魅力」をほとんど説明してくれないというなんとも本末転倒な営業さんでした。。。
太陽光についても「7kWなんてお金の無駄です。ちょうどキャンペーンがあるので100万円分?の太陽光が無料で取り付けられます、3kWであればこれでほとんどカバーできますよ」などと言われてしまいました。また、唯一定量的に示してくれた断熱性能について、営業さんから出た「桧家の家が建てる住宅は次世代省エネ基準を大きく上待ったQ値2程度の家をご提供できます」という発言で、私が求めている「高断熱」との乖離を感じて、お断りすることになりました。
積水ハウス
次に行ったのは、積水ハウスの家でした。ただし、展示場ではなく完成住宅見学会でした。
そこで、家の天井が高くて良いな~とは思ったのですが、営業さんから話を聞いても、私の個人的な感想としては、非常におもしろみに欠ける、とい
う印象でした。
ある意味、さすが最大手の貫禄というか、誰にでも受け入れられるよう様々な配慮が成されているとは思ったのですが、一方で、何かこう、遊び心というか、突出したものは感じませんでした。
また、当時一条工務店も検討していたのですが、一条工務店も考えていると話したところ「建築現場をご覧になったことはありますか?あの緑色の木材、シロアリ対策らしいのですが、あんなにたくさん薬を使った家はちょっと自分なら考えてしまいます」という話をされました。
私自身は、色が付いているから怖い、という感覚は良く理解できなかったのですが、それでも薬品などに詳しいような感じだったので、具体的にどんな薬剤と量だと安全ではないと考えなくてはいけないのか?という質問をしたところ、「いえ、決して批判しているわけではないんです、ただやっぱり自分なら怖いな~と思っただけで」という的外れな回答をされてしまいました。
次に断熱性の話を振っても、「断熱には非常に気を遣っていて暖かいですよ」と言われ、Q値を聞くと「積水ハウスですからご安心下さい。」と回答されてしまいました。。。
かなり若い営業さんで、数値の話を聞くとほとんどが「積水ハウスですからご安心ください」と言う回答ばかりで、少し辟易としてしまいました。今にして思えば、おそらく知識不足だったのだと思います。
ただ、当時の私には、回答の意味が理解できず、相手に私が何を聞きたいのかうまく伝えることができず、困惑してしまっていました。工場見学に行く約束はしたのですが、なんとなく止めてしまいました。
まずは自分で調べよう!
いくつかのハウスメーカーの展示場を回って、どうもこのまま闇雲にハウスメーカーを回っていても埒があかないと考えるようになっていました。
私が聞きたいのは、「イメージ」ではなくて単なる「数値」なのに、なぜか営業さん達は「イメージ」でばかり話をしてきて、具体性を感じなかったのです。
今にして思えば、それはそれで営業さん達の戦術だったのだと思うのですが、私は「暖かい」というならば、「なぜ暖かいのか」、そして、具体的に何かと比べてどの程度暖かいのか、そういった説明をして欲しかっただけなのですが、そういった説明は営業さんはしてくれないと思うようになっていました。
太陽光にしても、私が最低7kWと言うと、あきれた顔をして、「太陽光のことも何もわかっていない」という態度で、「不要」の一点張りでした。。。でも、その際もなぜ「不要」であるのかを誰も説明してくれず、困り果てていました。少なくとも私の計算ではたくさん載せた方が得になるはずと思っていましたから、「不要」の理由が皆目見当が付かなかったのです。
ほんの数社しか回っていない状態ではありましたが、正直疲れてしまっていました。
そこで、ハウスメーカーを闇雲に回るのではなく、まずは本とインターネットで情報を調べることにしました。
本としては
が一番参考になりました。今はこちらの最新版である
が良いのかも知れません。
で、インターネットでは
・ 住まいの水先案内人 強くオススメ!
・ 俺の家は高性能
・ 鵜野日出男の今週の本音
などが面白かったです。
ただ、ここからはどこが良いという情報はなくて、断熱の考え方や断熱と一緒に気密というものも考えないとカビの問題などが出てきてしまうからダメなんだということを知った程度でした。
続いて、「ハウスメーカー 断熱性 ランキング」で検索をして見つけたいくつかのランキング表を見ると、いずれも上位に「一条工務店」、「スウェーデンハウス」、「FPの家」という3社が入っていました。
そこで、この3社に絞って調べていきました。
スウェーデンハウス
スウェーデンハウスの印象は、木材をふんだんに使った北欧風住宅という印象でした。ただ、サッシの定期的な手入れが必要なようで、これは私が望む「手間がかからない」に反するので、即却下しました。
FPの家
続いてFPの家についても調べました。
FPの家についてはサイトを見ていると
「性能とデータ」を解説するページもあって非常に好印象を持ちました。
しかし、調べていくとどうもこの「FPの家」というのは、ハウスメーカーではなく、「FPパネル」という建築資材の生産を中心とした、中小工務店のフランチャイズであると言うことがわかってきました。
技術を標準化し、中小の工務店が大手ハウスメーカーよりも優れた技術で競争していくというのは非常に感銘を受けるところではありますが、調べている中でこのFPの家というのが元々は
松本建工という会社が開発したものだったそうです。そして、その松本建工は2008年に負債総額135億円で事実上倒産しており、その後、上場企業であるニチハが事業を引継現在に至っているとのことでした。非常に安直ではありますが、先の木の城たいせつの倒産と同じ雰囲気を感じてしまい、また、フランチャイズ工務店の倒産をどこまで本社が責任を負うのかがわからないなどから、どうしても気になってしまい検討をあきらめました。
一条工務店
続いて、一条工務店についても調べました。
一条工務店に関する情報を色々調べました。一条工務店の売上高等は経営事項審査の結果と、帝国データバンクの情報によって調べました。
その結果、売上高は約1700億円と大企業であること、そして何よりも700億円を超える利益剰余金が気になりました。利益剰余金というのは、社内に貯められた現金と同等の意味を持ちます。仮に家が1軒も売れなくなってしまったとしても、従業員が3000人に年間400万円を支払って120億円ですから約5年は持ちこたえることができる体力を持っていることを意味しています。
性能面に関しては大手ハウスメーカーの中では、突出して断熱性能にこだわりを見せていることを知りました。
また、一条工務店に関する情報で当時参考にしたのは
・ ICHIさんのブログ
をかなり参考にしました。
そして極めつけは、当時の段階から一条工務店は「夢発電」を宣伝しており、7kW以上という他のハウスメーカーでは小馬鹿にされていたパネル搭載量をホームページ上でアピールしていたのです。
一方で、間取りの自由度が低いという情報や、大半が自社生産である点などのメリットデメリットの判断が付かない状態でした。
まだ一条工務店の住宅展示場にも行く前の段階でしたが、このあたりで私は大きな問題がなければ一条工務店で家を建てようと思うようになっていました^^;
一応、なんだか一条工務店の評価がやたら良くない?と感じるかも知れませんが、あくまで私の感覚でそう思ったというだけです。また、私は最終的に一条工務店を選択しており、一条工務店の悪い面というのを見いだせなかったというのも事実です。
次回は、一条工務店の展示場に向かう前にやったことを書きたいと思います\(^o^)/