借りる前に知っておきたい住宅ローン借入額と繰り上げ返済の効果

こんばんは。さすけです。

ブログを読んでくださっている方の多くはこれから家を建てようと思っている方が多いと思います。

家を建てる際には住宅ローンを使用するのが一般的と思います。

本日は、是非借りる前に考えておいて欲しい、住宅ローン借入額と、将来の繰り上げ返済について書きたいと思います\(^o^)/

先に公開させていただいた「フラット35Sエクセルシミュレーションシート」を新制度のフラット35Sの金利引き下げに対応させると共に、2015年2月の金利を反映させました\(^o^)/当初10年の金利が0.770%ってめちゃくちゃうらやましいです!

住宅ローンの借入額と繰り上げ返済

住宅ローンで悩むのが借入額と思います。住宅ローンはカーローン等の他のローンに比べると圧倒的に金利の安いローンになります。そのため少し多めに借りておいた方が良いのでは?と考える方も多いかも知れません。

是非考えていただきたいのは

「今100万円余分に借りる」と言うことがいったい将来の支払額をいくら増やしているのか?

と言うことです。

以下では一条住宅ローンのフラット35S、i-flatを例として考えて行きたいと思います!

で、この問いは繰り上げ返済と同じように考えることができるのです。繰り上げ返済の場合は

「今100万円を返済する」ということはいったい将来の支払額をいくら減少させるのか?

ということになります。

シミュレーション条件

以下で示すシミュレーションの条件を示しておきます。

一条住宅ローンフラット35Sである、i-flatを利用することを前提として、2015年のフラット35S金利である、当初10年間1.070%、その後1.370%を前提とします。

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シミュレーションは「フラット35住宅ローンExcelシミュレーションを作ってみました」に掲載のフラット35シミュレーション用Excelシートを利用します。

借入額はここでは3000万円として、35年返済、団体信用生命保険+3大疾病保障付き、を前提としてシミュレーションします。

繰り上げ返済をした場合は、返済期間短縮によって対応することとします。

100万円余分に借りること=131万円を返済しなくてはいけなくなること

現在のフラット35Sで100万円を余分に借りるということは、返済期間全体を通じて131万円を返済しなくてはいけなくなることを意味します。

100万円を借りて131万円の返済ですから金利等で31万円を余分に返済することになります。すなわち、金利で約3割余分に返済しなくてはならないと言うことになります。金利だけなら闇金並ですね^^;;もちろん、返済期間が1年ではないので問題はありませんが、金利1%以下という見かけの金利に惑わされて余分に借りてしまうと、意外と「コストの高いお金」になってしまうこともあるので注意が必要です。

金利が1%でも返済期間が35年と長期の場合は、総返済額は30%も余分に払う必要がある、ということは忘れてはいけないと思います。

 

この金額を聞いて「高すぎない?」と思われた方はフラット35のシミュレーションを色々とされている方と思います。例えば、フラット35シミュレーションページでシミュレーションを行うと

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100万円の借り入れ額の総返済額は121万円となります。

私が示した131万円の増大とは10万円も異なっています。100万円に対して10万円は小さな違いではありません。。。しかし、実際は131万円を返済する必要があります。

団体信用生命保険増分は意外と大きい

131万円の内訳は、私が作成したExcelシミュレーションシート確認してみるとわかります。

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借入額が100万円とした場合、その100万円の借り入れによって生じる団体信用生命保険の35年間の返済総額が10.4万円、融資手数料4千円、金利20万円といった形になっています。

100万円の借り入れに対して金利は20万円程度ですが、団体信用生命保険が10万円も増えていることがわかります。

35年間では低金利とは言え金利支払額も20万円と大きいのですが、それと並んで団体信用生命保険の金額が10万円と金利には及ばないものの大きな割合を占めていることが分かります。

借入額を増やそうか悩まれている方は是非、団体信用生命保険の増額分も考慮に入れて借入額を検討されることをお勧めします!

 

繰り上げ返済には期間短縮と返済額減額の2種類がある

繰り上げ返済には月々の返済額を変えることなく返済期間を短縮する、「期間短縮型繰り上げ返済」と繰り上げ返済によって返済期間を変えることなく月々の返済額を減額させる「返済額減額型繰り上げ返済」の2種類の方式があります。

私が作成したエクセルシミュレーションでは「返済期間短縮型」のみに対応しており、返済額の減額型には対応していません。。。

これには理由があって、基本的には繰り上げ返済は「期間短縮」をした方が有利と考えるからです。

また、有利であると同時に、住宅ローンを借りる方の多くが、月々の返済額を慎重に検討した上で返済可能な額であることを確認した上で借り入れをしていると思います。

特にフラット35Sはその特徴から、返済額が世の中の金利変動に左右されないことから返済額が安定しています。よって、生活上の大きな変化、例えば病気などで収入に大きな変化が生じてしまったケースなどを除いて、基本的には返済期間短縮型の繰り上げ返済をすべきと考えていることから、返済額減額型のシミュレーションには対応していない次第です。。。

初年度100万円を繰り上げ返済すること= 169支払を回避すること

住宅ローンを少し多めに借りておいて、生活が落ち着いた2年目に、期間短縮型で100万円の繰り上げ返済をしたとします。こうすることで返済総額は169万円減額させることができます。

え??

100万円借り入れを増やすと131万円の返済に相当して、2年目に借入額を100万円繰り上げ返済すると169万円の減額の返済になるの???

それだったら多く借りて2年目にたくさん返せば良いじゃん!などと考えてしまいそうですが違います^^;;

あくまで「期間短縮型繰り上げ返済」であることに注意して下さい。

100万円の繰り上げ=金利48万円減、団信21万円減

2年目に100万円を繰り上げ返済した場合の影響の内訳を見てみたいと思います。

Excelシート上の2年目の欄に100万円を記入することで繰り上げ返済をシミュレーションできます。

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100万円を繰り上げした効果は

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に示される、「繰り上げメリット」で確認できます。2年目に100万円を繰り上げ返済すると将来の支払金利48万円の支払を回避し、さらに団体信用生命保険料21万円の支払も回避できることが分かります。

また、返済期間が33年8ヶ月になることもわかります。

100万円を繰り上げ返済すると将来支払う予定の169万円を返済したのと同じ効果が得られるのです。繰り上げ返済が支払総額にどれほど大きな影響を与えるかが分かると思います。

 

繰り上げ返済=35年後の元金を今返済すること

借入額を100万円増やすことで総支払額が131万円になる一方で、100万円の繰り上げ返済をすることで、169万円の支払をしたのと同じ効果になるというのはどうにも狐につままれた感覚になってしまうと思います。

なぜこんなことが起こるのかをもう少し、説明しておきたいと思います。

まず、繰り上げ返済で返すお金とは何なのか?ということを理解する必要があります。

住宅ローンの月々の返済は「元金」と「利息」によって構成されています。

例えば、3000万円(これを元金と呼びます)を借り入れた場合、当初10年の月々の返済額は約8万円になりますが、このうち元金の返済に充てられるのは6万円で、残りの2万円は利息として金融機関側の取り分となります。よって、翌月の元金は2994万円になります。

ここで、100万円の繰り上げ返済をした場合、100万円は全て元金に充てられます。よって、元金が100万円減少します。この時減少する元金100間年というのは、繰り上げ返済をしなかった場合「35年後の一番最後に返済される予定の元金」なのです。

すなわち、繰り上げ返済をするということは、「一番最後に返済する予定だったお金」を今返すことに相当する行為なのです。

一番最後に返済する予定だったお金、はもしも繰り上げ返済をしなかった場合、一番最後まで利子を払いつづけなくてはいけなかったお金、でもあるのです。利子だけではなく団体信用生命保険料も35年間払いつづけなくてはならないお金、でもあります。

繰り上げ返済では、そのようなお金を今返すことで、70万円近い支払を回避する効果を得ることができるのです!

借り入れを増やして繰り上げ返済は若干コスト増

なんだかここまで読んでくると、100万円を余分に借りても総支払額が131万円で、2年目に100万円を繰り上げ返済すると169万の返済に相当するならば、余分にお金を借りて余った部分を繰り上げ返済した方が得なのでは?と思ってしまいそうです

念のためですが、当たり前のように、そのようなことはありません。。。

むしろ、借入額を増やせば負担は上昇します。

簡単な例として3000万円を借り入れて繰り上げ返済なしで返済した場合と、100万円余分に借り入れて3100万円を借り入れて、2年目に100万円を繰り上げ返済した場合を比較して見ます。

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3000万円を借り入れて繰り上げ返済無しで返済した場合、借り入れ額以外に利息や団信費用としてしはらった金額の合計は929.5万円です。それに対して3100万円を借り入れて、2年目に繰り上げ返済した場合の利息や団信費用は892.5万円です。

これだけ見ると、100万円余分に借り入れて2年目に繰り上げ返済した方が37万円も総支払額を下げることができます。しかし、これには少しトリックがあって、当初100万円余分に借り入れを行った場合は月々の返済額が約3千円ほど高くなっている点に注意が必要です。

借入額を高く設定して、早い段階で繰り上げ返済すると月々の返済額は高いままとなり、これが元金に充当されることによって見かけ上の支払利息等が安くなっているのです。

この辺を真面目に計算すると少しややこしくなるので省略しますが、100万円余分に借り入れた場合、繰り上げ返済を実施するまでの間、1年間に1万円程度の追加費用を支払って居ることになります。

ようするに100万円を年間1万円で調達できるのだから、安いとみることもできる一方で、すぐに返済してしまう「余計なお金」に1万円を支払っているとも見なせるため、余計なお金を無駄に使っているとみることもできます。

一番理想的なのは必要な額を借り入れることですが、不安であれば1万円程度の負担で100万円という安心を購入するという考え方も有りと思います。ただし、100万円を余分に借り入れても月々の返済に問題がおこらないことは大前提です!

まとめ

借入額の増額と繰り上げ返済について考えてきました。

住宅ローン借入額を100万円増やすと、月々の返済額は約3000円増大し、総返済額は131万円にもなることを確認しました。このうち、金利が20万円、団信が10万円と計算し忘れてしまいがちな団体信用生命保険の負担がかなり大きいことも分かりました。

続いて繰り上げ返済について考えた場合、期間短縮型繰り上げ返済をした場合、100万円の繰り上げ返済で将来の70万円近い金利や団信費用を回避できることも分かりました。

最後に100万円を余分に借りて、不要であることが分かったらすぐに繰り上げ返済に回すというケースについて考えてみました。この場合100万円を1年間余分に借りると言うことは年間1万円の費用を支払うことで可能になることが分かりました。

次回は「繰り上げ返済の時期とメリット」について考えてみたいと思います\(^o^)/