フラット35のお勧めの借り入れ先は?借入先はどうやって選べば良いの?

こんばんは。さすけです\(^o^)/

前回はフラット35の金利が0.1%変化すると、100万円借り入れあたり総支払額が約2万円変化することを書きました。3000万円の借り入れだと総額60万もの違いにもなることを示しました。

私が借りた当時の金利を考えると、私の借り入れ額3750万円の場合で総支払額が約300万円も安くなっているというちょ~うらやましい状況が分かりましたorz

一条工務店で家を建てられる方は、多くが一条住宅ローンのみしか考えていないという方も多いかと思います。しかし、それぞれのライフスタイルによってはその他の金融機関の方がお得なケースや、最終的に一条住宅ローンを選択するにしても、その前段階として他の金融機関で検討することでメリットを得られるケースがあります。

本日は、そんなフラット35の借入先について考えてみたいと思います\(^o^)/

今回の記事では、ハウスメーカー提携フラット35、愛媛銀行千葉銀行千葉興業銀行山梨中央銀行京葉銀行優良住宅ローン楽天銀行イオン住宅ローンサービス三井住友信託銀行ARUHI(旧SBIモーゲージバンク)のそれぞれのフラット35のメリット・デメリットをまとめています。

目次

フラット35とは何か?

そもそもフラット35って何なのでしょうか?

フラット35の特徴は「超長期固定金利」の住宅ローンであると言う点に尽きます。ここはお話しなので読み飛ばしていただいても構いません。

なぜ35年長期固定金利型住宅ローンは存在するのか?

一般的な銀行では5年固定、10年固定、長いもので20年固定金利型の住宅ローンが販売されていますが、フラット35はその名前が示すとおり、35年間の固定金利型住宅ローンになっています

35年後の金利など誰にも分からないため、一般的な銀行でそれほど長期の固定金利型住宅ローンを販売しようとした場合、リスクが高く、仮に販売するにしても金利を割高に設定せざるを得なくなってしまいます。

一般にお金を借りる際の金利は、世の中の景気が良くなると上がり、悪くなると下がります。一見、問題ないように思われますが、家を建てる際にお金を借りる側の立場で考えてみると問題が発生します。

世の中の景気が良くなって金利が上昇した際に、景気にあわせて自分自身の給料が上がってくれれば金利が上がっても問題はありません。しかし、多くの企業の給与は景気が良くなっても、その後利益が上昇し、企業に十分な資金ができてはじめて給与が上がります(これは悪いことではなく、企業は景気の悪いときにも社員に給与を払わなくてはならない以上、当然のことです)。そのため、金利が高くなっても給料はいままでとそれほど変わらないといった状態が発生してしまいます。そうなると、最悪金利の上昇によって住宅ローンの返済が行えない、などという状態にもなりかねません。

当然、そのようなことにならないよう、様々なルールはあるのですが、それでも景気の変動とともに金利が変化することは避けることができません。

そのため、仮に住宅ローンが変動金利しかないと、そもそも貯金額が十分にあり支払額の変動があっても支払を滞らせる心配がない人や、自分自身の収入が世の中の景気とリアルタイムにリンクするような自営業者しかお金を借りて家を建てようと思わなくなってしまいます。

また、銀行は自分自身が貯金などをしてもらうことで集めたお金を貸すわけですから、万が一にも貸したお金が返ってこない事態を避けよう(当然リスクは考慮していますが)と、非常に慎重なお金の貸し出し審査を行います。

こうなると、家を建てたいと思っていて、かつ、現時点では住宅ローンを返せそうな人であっても、将来の返済が不安であったり、勤続年数が短いことなどを理由に銀行がお金を貸し渋ったりといった理由で、家を建てたくても建てられない人が出てきてしまいます。

そのような問題を解決することを目的として設立されたのが、旧住宅金融公庫、現在の住宅金融支援機構です。

住宅金融支援機構とはなんなのか?その成り立ちから

住宅金融支援機構の前身は住宅金融公庫です。住宅金融公庫は、銀行がリスクを畏れて参入しにくかった、個人住宅向け住宅ローンを主に手がけることを目的として1950年に設立された国が所管する組織になります。

今から考えると驚きですが、1950年代から1980年ころまでは、銀行は個人向け住宅ローンを提供していませんでした。個人向け住宅ローンは返済期間が長期にわたり、信用調査が難しいこと、さらに長期間管理コスト等がかかるため、銀行は個人住宅向けの住宅購入を目的とした住宅ローンを提供していなかったのです。しかし、銀行がお金をかしてくれないとなると、一般の個人は住宅を購入する際にその全額を手元資金で準備する必要が出てきてしまい、家を建てる事ができる人は極々限られた人のみになってしまいます。

住宅の建築というのは、今も昔も非常に値段の高いものでした。これは裏を返すと、住宅の建築がたくさん行われれば、そこで働く人も増え、日本の経済力を高めることに繋がります。そこで、住宅金融公庫が銀行に変わって一般個人に対して住宅購入資金を貸し出す役割を担っていたのです。

そのため、当時は家を建てたいと思ったら、住宅金融公庫からお金を借りるしかありませんでした。その後、日本全体の経済が発展し、多くの人が住宅の購入をするようになり、1980年代になると企業向け融資も競争が激しくなり飽和状態となっっため、個人向け住宅ローンが銀行にとっても「儲かる商品」と考えられるようになり、多くの銀行が個人向け住宅ローンを手がけるようになってきました。

しかし、現在でもその傾向はありますが、銀行の住宅ローン審査は、銀行が自己資金を貸し出すため、非常に厳しい審査が行われていました。例えば、中小企業に勤めていたり、勤続年数が短かったりするとお金を貸してくれないといったことが多くありました。そのため、銀行が個人向け住宅ローンに参入して以降も、銀行と住宅金融個々でそれぞれ個人向け住宅ローンを提供する状態が続いていました。当時は、住宅金融公庫と銀行の両方からお金を借りると言うことが多く行われていました。

その後2007年になって、住宅金融公庫は、住宅金融支援機構に生まれ変わりました。その背景としては、現在の「フラット35」が深く関わっています。

旧住宅金融公庫では、財政投融資、という仕組みを使って国の信用力に基づいてお金を集めて、その集めたお金を個人向け住宅ローンとして融資していました

住宅金融公庫が自分たちで集めたお金を直接貸し出すためこれを、直接融資、と呼びます。1950年代から1990年代の後半までは住宅金融公庫もこの直接融資が一般的でした。この状況を一変させたのが、橋本内閣が取り組んだ「金融ビッグバン」です。

金融ビッグバンでそれまでは規制されていて行えなかった方式の融資が行えるようになりました。その一つが現在の住宅金融支援機構が主として手がけているフラット35を中心とした「証券化支援業務」と呼ばれる資金の提供方法です。

住宅ローンの証券化

私達がフラット35でお金を借りた場合、そのお金は誰が出してくれたお金なのか?ということに疑問を持ったことはないでしょうか?

その答えは証券化にあります。

銀行からお金を借りる場合は、借りたお金は多くの人や企業が銀行に預けた預貯金を元手にしています。住宅金融支援機構の前身である住宅金融公庫は財政投融資と言う形で、国の信用力を使って財投債と呼ばれる債権を発行することで市場からお金を調達していました。その資金の出所の一つが郵便局の貯金などで、いわゆる郵便局は義務として財政投融資に資金を提供していました。これを義務預託と言います(2013年度に廃止)。しかし、自分たちで債権を発行してお金を集めるという行為は、その額が大きくなればなるほどリスクを伴います。

例えば、バブル崩壊のように、土地の価格が大きく下落してしまうような局面では、貸していた資金が不良債権化してしまい、それを金融公庫が保証しなくてはならないといった問題が生じてしまいます。

そこで、考え出されたのが「住宅ローンの証券化」と呼ばれる手法になります。

住宅ローンの証券化とは、非常に乱暴に言ってしまえば、例えば100億円の住宅ローンを融資したら、100億円分を1口1万円として100万口の「住宅ローン証券」を発行し、これを市場で販売すすることです。企業が発行する証券である「株式」と同じようなものと思うとイメージしやすいかと思います。そして、住宅ローン証券は、広く投資家に販売されます。

住宅ローン証券を購入した投資家は、住宅ローン返済が行われるとその返済額分の金利から諸費用を差し引いた額を受け取ることができます。多くの投資家は住宅ローン証券以外の様々な金融商品を購入することで、リスクを分散させて利回りを得ており、万が一住宅ローン証券が値下がりしてしまったとしても、他の金融商品とリスクを分散化することで安定した収益を見込むことができます。

このように住宅ローンを証券化して、投資家に買ってもらうことで、住宅金融支援機構の信用力に関係なくより多くの資金を調達出来るようになります

このような証券化の手法は橋本内閣が行った金融ビッグバンによって可能になった資金調達手法となっており、2007年に金融公庫から住宅金融支援機構に改組される際の大きな特徴となりました。現在の住宅金融支援機構は直接融資を縮小し、フラット35のように証券化された住宅ローンの販売を主に手がけています。

結果として、リスクを取ってくれる投資家が住宅ローンを支えることで、35年という超長期固定金利を実現しつつ、その金利を低く抑えることができているのです。

モーゲージバンクの登場

証券化を前提とした住宅ローンであるフラット35が登場したことによって、大きくかわったことがあります。

直接融資を主としていた住宅金融公庫では、住宅ローン融資は住宅金融公庫自身が行っていました。

しかし、証券化されたことで、リスクを取る投資家に対して十分な信用を担保できれば必ずしも住宅金融公庫が住宅ローンの販売を直接顧客に行う必要がなくなったのです。

また、住宅ローンの証券化では住宅金融公庫自身の信用力を背景とした資金調達をしていないため、より多くの住宅ローンを調達し、証券を市場に販売した方が有利となります。

そこで登場したのが「モーゲージバンク」と呼ばれる新しい形の金融機関になります。

モーゲージバンクとは住宅ローンを専門とする金融機関のことです。ただし、従来の銀行等とはことなり、住宅ローンの資金はモーゲージバンク自身が持っているお金を貸し出すのではなく、モーゲージバンク自身はフラット35を販売するだけで、販売されたフラット35の債権は住宅金融支援機構が全て買い取ります。

それまでは、お金を貸すためには貸し出すお金(原資)を持っていなくてはならず、限られた金融機関しか行えませんでした。しかし、フラット35のような証券化された住宅ローンが登場し、住宅金融支援機構が確実にその債権を買い取ってくれる仕組みができたことで、モーゲージバンクは貸し出すための原資を持たずに、かつ安全に住宅ローンの販売が行えるようになったのです。

住宅金融支援機構は買い取った債権を証券化し、投資家に販売するという方式を採るようになりました。

結果として、モーゲージバンク自身は銀行のように貸出資金を持っている必要がないため、資金力の弱い組織でも容易にモーゲージバンクを設立できるようになりました。

例えば、一条住宅ローンや、私がフラット35を契約したARUHI(旧SBIモーゲージバンク)などもモーゲージバンクです。

モーゲージバンクは販売したフラット35でたくさんの住宅ローンを貸し出したとしても、その貸し出した債権は全て住宅金融支援機構が買い取ってくれるので、貸し倒れによるリスクなく利益を得ることができます。

通常、銀行がお金を貸した場合は「金利」を収入源としていますが、モーゲージバンクは、あくまで窓口業務のみを行い、フラット35を契約した際の「融資手数料」のみを収益源としているのです。

ここで、大切な事は私達がフラット35をどこから借りたとしても、それはあくまで窓口業務の代行サービスを提供してもらったに過ぎず、モーゲージバンクには債権を回収する義務も権利も発生しないのです。回収する権利と義務は住宅金融支援機構が持っています。このことはフラット35の借入先を選ぶ上で重要なことです。

フラット35の審査の甘さ:その仕組み故のメリットとデメリット

しばしば、フラット35は借りやすい、といったことが言われます。一般に、銀行ローンに比べてフラット35の審査は甘くなっています。

これは、決して良いことではないと思っているのですが、おそらく、フラット35の方が審査が甘いというのは紛れもない事実と思います。

なぜ、フラット35の審査が甘いのか?という背景にも、先の「証券化」が係わっています。

これは万が一、住宅ローンを借りた人が返済不可能な状態に陥ってしまった場合のリスクを誰が負うか、ということに関係しています。

銀行ローンの場合は、貸し倒れを起こした場合、その損失は銀行自身が負うことになります。

一方で、住宅金融支援機構が取り扱うフラット35は、先に示したように証券化され投資家に販売されるため、その損失は投資家が負うことになります。

そして、銀行ローンは銀行自身が貸し出し相手を審査しますが、フラット35は窓口となったモーゲージバンク等の金融機関が行うことになります。

もちろん、フラット35には厳格な審査基準がありますが、、、、金融機関にとってはフラット35は貸し出す際の融資実行手数料のみが収益源となっています。ようするに貸し渋っていては利益にならないのです。。。

そうなると何が起こるか、ある意味当然の結果として「多少リスクが高そうでもとりあえず貸してしまう」といったことが起こってしまいます。。。

もちろん、そのようなモラルハザードが起こらないよう、様々なルールが定められていますが、必ずしもルールが厳密に運用されない事態が発生してしまうのです。

実際、「フラット35、民間の審査に甘さ 検査院が指摘 (日経 2012/10/19)」、「住宅ローン・フラット35を危機に晒す、銀行のずさん審査(ビジネスジャーナル2012/12/3)」にあるような、甘い審査が横行していました。

これは2012年当時ではありますが、サンプリングされた39の金融機関について会計検査院が調査したところ、住宅金融支援機構が定めた融資審査基準を全て満たして融資が実行されていた金融機関が1つもなかった、といった事態が起こっていました。

会計検査院の指摘を受けて改善が行われているとは思いますが、フラット35はその仕組み上、審査が甘くなりがちである事は仕組み上必然と思います。

それ故、「借りられる額を借りる」ということには慎重であるべきと思います。

また、上記のようなルール違反に基づく借り入れ審査の甘さは別としても、そもそもの審査基準も銀行より甘くなっています。これは、住宅金融支援機構が銀行でお金を借りられないケースにも対応するという組織としての役割を負っている以上、銀行よりも審査基準は甘く設定されていると考えて間違いないと思います。

事実、通常銀行は最低金利を適用するためには借入額の2割程度の自己資金を準備することを貸し出し条件にすることが多いですが、フラット35は1割の自己資金で最低金利が適用されます。

審査が甘い、借りやすいというのは、しっかりとした返済計画を持って家を建てる予定の人にとっては非常に良い面もあります。しかし、一歩間違えると無理な住宅ローンを組んでしまうリスクもあるため、自分自身で慎重に判断する必要があります。

個人的にはフラット35の借り入れしか予定していない方も、銀行の変動金利型の借り入れ審査は受けてみることをお勧めします。万が一、審査に落ちてしまた様な場合、その理由を慎重に検討した方が良いように思います。その上で、問題がないと判断してフラット35を借りた方が安心かと思います。

お金を一条住宅ローンやネット銀行でお金を借りても大丈夫なの?

フラット35を借り入れしたネット銀行が破綻しても大丈夫?

フラット35は、いわゆる名前を良く聞く銀行、ではない金融機関からお金を借りることになることが多くあります。そこで、多くの方が不安に感じることは、ネットバンクをはじめとした来年にはどうなっているか分からない金融機関でお金を借りても大丈夫なのか?ということだと思います。

万が一、借入先の金融機関が破綻したら?破綻までしないにしても、合併したら?金融機関自身は問題がなくても、親会社の経営が悪化したら?正直、金融機関として海のものとも山のものともわからない一条住宅ローン^^;や私自身がフラット35の借入先として選んだ旧SBIモーゲージバンク(現在ARUHI)など名前もよく分からないモーゲージバンク(気が付いたら名前変わってたし)、楽天銀行のようなネット銀行、こういった所からお金を借りることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかと思います。

金利や手数料が安いからといって、こういった金融機関でフラット35を契約しても大丈夫なものなのでしょうか?

お金を借りるならば、20年後も、30年後もしっかりと業務を行っていそうな大手の都市銀行や地銀で借り入れた方が良いのでは?と考える方も多いように思います。

しかし、先に書いたとおり、フラット35というのはどこで契約したとしても最終的には全て住宅金融支援機構がその債権を購入し、窓口業務を行った金融機関に債権が残ることがないのです。

そのため、フラット35については借入先金融機関の信用は重要ではありません。先ほど書いたようにフラット35というのは旧住宅金融公庫であるフラット35が管理している住宅ローンとなっており、私達が借り入れ手続きを行う金融機関は窓口に過ぎないのです。

実際に、住宅金融支援機構のホームページでも

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返済中にフラット35を借りた金融機関が破綻したような場合でも、取り扱い金融機関が変更になることはあっても、返済条件等は変わらない旨が書かれています。

変動金利型で金融機関自身がお金を貸し出すタイプの住宅ローンでは、過去に例はありませんが万が一金融機関の経営が著しく悪化したり、破綻してしまった場合は、契約条件の見直し、すなわち将来の金利上昇に晒される可能性は否定できません。このことは旧住宅金融公庫が行っていた直接融資の場合にも言える事です。

しかし、現在のフラット35は先ほど書いたように、私達が借りるお金の原資は、借入先のネット銀行自身のお金でもなく、さらには住宅金融支援機構でさえないのです。私達が借り入れるお金は証券化されて市場に販売された投資家による投資によって賄われているのです。

そのため、借入先の金融機関が破綻しても、もっと言えば万が一住宅金融支援機構が破綻したとしても、手続き等は発生する可能性はありますが契約条件が変わることがないのです。これはフラット35が長期にわたり安定した固定金利を実現するために考え出されたために作られた非常に良くできた仕組みになっています。この将来の金利変動や万が一の金融機関破綻リスクにも対応できる安定生こそが、銀行が貸し出す変動金利型、固定金利型の住宅ローンに対する大きなアドバンテージとなっています。

じゃあフラット35はどうやって選べば良いの?

先に示した通り、フラット35の借入先の信用力はそれほど重要視する必要がありません。

そうは言ってもフラット35を取り扱う金融機関は山のようにありどうやって選べば良いのかいまいちよく分かりません。しかし、実は結構簡単だったりします。

フラット35を選ぶ際は

  • 金利
  • 手数料
  • プラスアルファのおまけ

の3点のみを考えれば良いのです。どれが一番重要か分かりますか?と聞くと、当然「金利」という回答が多くなると思います。しかし、フラット35に関しては金利は重要ではないのです。。。重要ではないと言うと語弊がありますが、正しくは、金利は借入先の判別基準としてはほとんど使えないのです。

そんなことも踏まえて、それぞれのポイントに絞ってフラット35借入先の選び方を書いていきたいと思います\(^o^)/

フラット35の借入先はどうやって選べば良いの?:金利編

金利はほとんど考えなくて良い:フラット35の金利が飛び抜けて安い金融機関は存在しない

お金を借りるとなると、0.1%でも安い金利を示している金融機関を探したいと思うのが人情です。先日書いたように、金利が0.1%違うだけで、3000万円の借り入れなら総支払額が60万円も変わってきてしまいます。

しかし、結論から言うと、フラット35に関しては最安の金利は一律に決まっています。すなわち、他の多数の金融機関よりもちょっとだけ金利の安い金融機関、というものは存在しません。

実際、2015年5月時点のフラット35最低金利は1.46%となっており、様々な金融機関が527種類のフラット35を取り扱っていますが、このうち168種類のフラット35貸出金利が1.46%となっています

実に3割以上のが全く同じ貸出金利が設定されているのです。

これだけ同じ金利ならば、1社くらい他の金融機関より0.01%でも安い金利が示されていても良さそうに思えます。しかし、これはフラット35の仕組み上できないのです。。。

フラット35はその債権を住宅金融支援機構が一括して買い取ります。買取の際には「XXの金利の債権を買い取るよ」と宣言するわけです。金利を高く取っている分には問題はありませんが、金利を安く設定してしまった債権は買い取ってもらえなくなってしまいます。そのため、最低金利は一律に決まっているのです。

フラット35の借入先を決定する上では、金利を把握することは最も重要ですが、調べた時点で最低の金利が示されていれば、それ以上血眼になってもっと安い金利の安い金融機関が存在していないか?を探す必要は全く無いのです

その月のフラット35最低金利の調べ方

フラット35の最低金利はどうやって調べれば良いか?と言うのも簡単です。

こちらのフラット35のページに毎月更新される最低金利が掲載されています。ページの一番下の方に掲載されています

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フラット35を35年で借り入れる予定の方は、一番上の段に書かれた1.46%がその月の最低金利になっており、これ以上安い金利が示されることはありません

よって、2015年5月時点では金利が1.46%を示している金融機関の中から借入先を選べば良さそうだと言うことが分かります。

金融機関の宣伝文句に踊らされない

1.46%という金利を聞いて、自分が調べた金融機関の中にはフラット35の金利としてもっと安い金利が示されていた金融間があったけど?と疑問に思われた方もいらっしゃるかと思います。

例えば、楽天銀行では

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のように、フラット35の金利が1.46%ではなく、0.86%かのように書かれています。

なんと0.6%も安い金利が示されています!。。。

上の方に「当初10年間0.6%引き下げ」と書いてあります。。。^^;

そう、これはあくまで当初10年間は0.86%で、その後は1.46%に金利が戻ることを表しています。

え~、当初10年でも他の金融機関よりも金利が安くなっているなら良いじゃん!!

と思ってしまいそうですが、この金利引き下げは国の方針に則って住宅金融支援機構が定めた引き下げ幅になっています。

すなわち、楽天銀行に限らず、どこの金融機関で借りても住宅の性能要件さえ満たせば当初10年間は0.6%の金利優遇を受けられるのです。

ということは、通常金利1.46%で当初10年0.6%の金利優遇はフラット35を販売している186金融機関全てで同一条件と言うことになって、別に楽天銀行が特別安い金利を提示しているわけでは無いと言うことが分かります^^;;;

さらに、もうちょっと高度?な宣伝文句としては

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これまた楽天銀行の宣伝ですが、金利0.63%と大きく書かれています!!!

お~0.63%なら、フラット35Sの金利優遇幅の0.6%よりも低金利が示されているじゃないか!!

と思う方もいらっしゃる課も知れませんが、その上に小さな文字で、「15年以上-20年以下金利Aプラン当初10年間」と書かれています^^;もうおわかりですね。このタイプのフラット35の金利は

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でみると、下から2段目のタイプになっており。1.23%が最低金利となっています。そしてフラット35Sの金利優遇0.6%を受けた場合の金利が0.63%なのです。これまた楽天が特別安い金利を提示しているわけではないのです^^;;

そして、もう一つ、金融機関側の宣伝に踊らされないよう注意すべきポイントがあります。

それはキャンペーン期間が5月末までになっている点です。これは楽天銀行に限らず、何らかのキャンペーンを打っている金融機関が共通して5月まつまでのキャンペーンになっていると思います。

というのも、先ほど書いたようにフラット35の金利は毎月見直しが行われます。よって、上記金利を保証できるのは月末までしかあり得ないのです!

しかも、フラット35は融資実行時点の金利が適用される、というルールで運用されているため、上記金利が保証されるのは5月末までに融資が実行された人に限られると言うことになります。。。。家の購入という大きな買い物ですから、融資申し込みから実効までが1ヶ月弱ということはほとんど無いと思うので、ぶっちゃ金利は何も保証されていないと言っても過言ではありません^^;;;

別に、このようなことは決して悪いこととは思っていませんが、私達消費者にとっては、正直わかりにくい住宅ローンというものを借りる際に、金利やキャンペーンのトリックを知らないままに踊らされてしまうと、後になって後悔してしまうことがあるので注意が必要と思います!

フラット35の借入先はどうやって選べば良いの?:融資実行手数料編

フラット35を選ぶ上で、金利は非常に重要なのですが、フラット35の仕組み上ほとんどの金融機関が最低金利を示しており、金利差が生じることはほとんど無いと言うことを書いてきました。

そのためフラット35の選択では金利はとりあえず確認して、最低金利である事だけを確認すれば十分と言えます。

では、フラット35の金額の差別化はどこで成されるか?というと、それが融資実行手数料になります。何回も書いているように、フラット35でお金を借りた際の債権は住宅金融支援機構が一括して買い上げをしてしまいます。そのため、フラット35を販売する金融機関にとっての唯一の収益源が融資実行手数料なのです

融資実行手数料は、概ね借入金額の0%~2%程度まで大きな幅を持っています。

借入金額が3000万円であれば、0円~60万円と言った感じです。融資実行手数料は手元現金で支払うのが一般的であるため、自己資金を目減りさせる要因になり、フラット35の借入先では非常に重要な選択要因となります。

ハウスメーカーで契約している人は要確認:正しい手数料を確認

それでは融資実行手数料はどうやって調べれば良いか?というと、方法は2つあります。

最も簡単な方法は先ほど金利を確認したフラッ35トのページで融資実行手数料を確認する方法です。(のちほど、私の方で調べた結果もまとめておきます)

こちらのリンクをクリックしていただくと融資実行手数料が一番安い順に金融機関の一覧を見ることができます。

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すると、愛媛銀行の融資実行手数料が驚きのゼロ円、次が千葉銀行の32400円等という風に出てきます。これらの銀行は顧客獲得を目的として手数料をほとんど取らずにフラット35を販売しています。一般に、口座を持つことや提携クレジットカード(有料)の作成、公共料金の引き落としなどをその銀行で行う事を条件として科すことが多いようです。

金融機関にとっては、様々な口座引き落としによる手数料収入、さらに貯金先として使ってもらい、これを35年という長期にわたって維持できる可能性が高い顧客を効率的に獲得する手段として、手数料を無料化またはそれに近い水準で提供しているケースがあります。クレジットカードの作成が義務化されている場合年額手数料が1500円程度で、35年間だと実際の手数料は5万円程度といった感じになります。

お近くにこれら地銀の支店があったり、コンビニATM手数料が無料だったりと条件が合えば後に示す事項も検討に入れた上で、上記のような金融機関を選択するのも一つの手段と思います。

で、ここで注意しなければならないのが上記サイトに掲載されている融資実行手数料が実際とは異なるケースがあるという点です。ネット銀行などの融資実行手数料は概ね正しく掲載されており、楽天銀行であれば、楽天銀行を支払口座に指定することで融資実行手数料が1.08%となっています。

しかし、例えば一条工務店で住宅を購入した方が多く使う一条住宅ローンの融資実行手数料はサイト上は1.296%となっていますが、一条工務店で住宅を購入した人に向けたキャンペーンによって、0%だったり、0.4%だったりすることがあります。そのため、ハウスメーカーで住宅を新築する方はハウスメーカー提携のフラット35の融資実行手数料を確認しておくことをお勧めします。

ちなみに、一条工務店で家を建てると一条住宅ローンですが、ヘーベルハウスであれば、旭化成モーゲージ、ミサワホームであれば、ミサワファイナンシャルサービス、積水ハウスや住友林業、だいたいどこのハウスメーカーも自社で家を建ててくれたお客さん向けのフラット35を販売しており、これらハウスメーカー提携のフラット35の融資実行手数料はかなり低く押さえれている傾向があります。ぶっちゃけ、ハウスメーカーにしてみればフラット35の数十万円の手数料収入なんてとらなくても住宅本体の販売で利益を回収すればよいわけですからゼロ円でも全く問題がないのです。。。

ということで、ハウスメーカーで家を建てる方は必ず提携の融資実行手数料を確認することをお勧めします。

では、地銀なども除いて、誰でも使えるフラット35の借入先としてはどこがあるかというと?これが以外と少ないのです。。。

主なところで上記5社程度に絞り込まれます。(日本住宅ローン、ファミリーライフサービス、日本モーゲージサービスなどもあるのですが、すいません、情報が少なくて特徴が分からないため除外しています。少なくとも、優良住宅ローンより高い手数料なので無視します。)上記5社のフラット35金利はいずれの金融機関でも2015年5月時点の最低金利である1.46%となっており、金利差はありません。よって融資実行手数料のみが支払総額に影響してきます

融資実行手数料0.1%変わると、支払はいくら変わるの?

先に示した5社で融資実行手数料は0.5%~2.16%と開きがあることが分かりました。

現在はどうなっているか分からないのですが、一条住宅ローンだと以前は0.4%の融資実行手数料となっていました。ここで気になるのが融資実行手数料が0.1%変わると、支払額がいくら変わるのか?と言うことだと思います。

仮に1000万円の借り入れをした場合、0.1%が1万円に相当します。優良住宅ローンの融資実行手数料が5万円、私が借り入れをしたARUHI(旧SBIモーゲージバンク)であれば、21.6万円となります(優良住宅ローンは最低手数料が10.8万円なので1000万円の借り入れでは10.8万円になります)。

1000万円借り入れあたりの融資実行手数料を金融機関ごとに示すと

となります。

一般的な3000万円の借入額に換算すると上記の3倍なので、

  • 優良住宅ローン:15万円
  • 楽天銀行:32.4万円
  • イオン住宅ローンサービス:32.4万円
  • 三井住友信託銀行:58.32万円
  • ARUHI(旧SBIモーゲージバンク):64.8万円

といった具合です。

15万円~64.8万円とかなり大きな開きがあることが分かります!

では、優良住宅ローン1択か?というと、もう少し検討をしてからの方が良いように思います

お勧めのフラット35借入先:それぞれの良い点・悪い点

フラット35を選ぶ上では、金利はどの金融機関でもかわらないため、融資実行手数料が重要になってくることを示しました。

では、融資実行手数料だけで決めてしまって良いか?というと、もう少し検討してからでも良いかも知れません。

というのも、フラット35を販売している金融機関の中には、フラット35を契約してくれたお客さん向けにプラスアルファとしての「おまけ」をつけてくれる金融機関があります。また、明示されていないまでも、「おまけ」と言っても過言ではないメリットがあるケースがあるのです。

金融機関ごとにフラット35契約者向けの「おまけ」について見ていきながら、おまけも考慮に入れつつ、それぞぞれの金融機関のお勧め度を書いていきたいと思います\(^o^)/

お勧め度は人によって大きく変わってくると思うので、下記は順位を示しているわけではなく、あくまでそれぞれの特徴を書いています。ただし、個人的にどれがどのような方にお勧めかは書くようにします^^

愛媛銀行、千葉銀行、千葉興業銀行、山梨中央銀行、京葉銀行

条件さえ合えば、ハウスメーカー提携のフラット35より格安にお金を借りられるためお勧めなのが、愛媛銀行千葉銀行千葉興業銀行山梨中央銀行京葉銀行の5つの銀行です。

これら5つの銀行では、ハウスメーカー提携フラット35や、融資実行手数料が最安値の優良住宅ローンよりも安くお金を借りることができ、総支払額を最小化し、かつ、当初自己資金を目減りさせることなく住宅ローンを組むことができます。

愛媛銀行については融資実行手数料が無料、千葉銀行、千葉興業銀行、山梨中央銀行、京葉銀行については、融資実行手数料は定額32400円となっています。

ただし、給与振込口座をその銀行にすることなど条件が課されることがあることや、上記はいずれも地銀になっており、営業範囲外の融資は受け付けないなどの条件があるため、利用できる方はかなり限られるかと思います。

例えば、愛媛銀行は東京支店や岡山支店ではフラット35の新規取り扱いは行っていないため、申し込むことができません。

条件を満たせる人は少ないかも知れませんが、新しい住まいが上記銀行の営業範囲内である場合などは第一候補として検討するのが良いかと思います^^

一条住宅ローン他、ハウスメーカー提携の金融機関

一条住宅ローンや、旭化成モーゲージ、ミサワファイナンシャルサービスといった、いわゆるハウスメーカー提携のフラット35取り扱い金融機関は、明示的なおまけはありません。

しかし、目に見えない形でのメリットがあります。それは、契約に手間がかからない、書類の作成のほとんども営業さんがやってくれる、と言う点です。

フラット35を契約するためには収入証明やらなにやら様々な書類を提出すると同時に、なんだかよくわからない大量の書類を書かなければなりません。。。しかし、ハウスメーカー提携の金融機関であれば、必要な書類さえ準備して営業さんに渡せば書類の作成のほとんどとを行ってくれて、最後に確認して印鑑を押すだけで、あとの提出から受け取り、細々としたやりとりを代行してくれるのが一般的と思います。

家を建てる際には本当に様々なことをしなくてはならないため、小さなお子さんなどがいてなかなか時間が取れないケースでは、この完全お任せは非常にらくちんと思います^^

この書類作成負担の軽減こそが、ハウスメーカー提携ローンの大きな「おまけ」だと思います。

金利も手数料も他と遜色ないならば、提携ローンを使うのがベストなことが多いです。ただし、提携住宅ローンを使う場合でも、他の金融機関、特に三井住友信託銀行と私自身が契約先とした旧SBIモーゲージバンクについては話を聞いてみることをお勧めします。理由は後ほど

優良住宅ローン

優良住宅ローンと言う名前を聞いたことがある方は少ないように思います。

しかし、金利が他の銀行等同様にフラット35の最低金利であると同時に、融資実行手数料も先の5つの地銀を除いて最も安く設定されています。先の地銀とは異なり、全国で営業をしているため、誰でも利用することができます。

ハウスメーカー提携住宅ローンがなかったり、ハウスメーカー提携住宅ローンの融資実行手数料が0.5%よりも高く設定されているようなケースでは、優良住宅ローンを検討することをお勧めします。

ただし、融資実行手数料に10.8万円という最低価格が設定されているため、2000万円以下の借り入れの場合は融資実行手数料が0.5%よりも割高になってしまうケースがあるので注意が必要です。

こちらのサイトから資料請求ができます。一つの候補として検討することをお勧めします。

優良住宅ローン問合せ窓口

 

優良住宅ローンのメリットは融資実行手数料が非常に安いことなのですが、欠点もあります

それは、住宅ローンに関する相談が「平日9時から15時」までしかやっていないのです(´Д`)

そのため、住宅ローンに関する相談をする相手としてはあまり頼りになりません^^;;実際に借り入れに関する書類等を作成する際にも、平日の日中しか相談が行えないためかなり手こずってしまう可能性も否定できません。

個人的にはまずは資料請求等をして、第一候補の一つとしつつ、相談は別の金融機関に頼った方が良いかと思います。フラット35であれば、金融機関によって条件等が変わることがないため、相談相手が他の金融機関でも全く問題ないと思います^^

平日日中には電話をする時間が取れない、という方は実際の融資の際のやりとりで手こずると思うので候補からは外した方が良いかも知れません。

三井住友信託銀行、ARUHI(旧SBIモーゲージバンク):相談相手としての強み

三井住友信託銀行ARUHIも融資実行手数料が高いため、ついつい敬遠してしまいます。

ぶっちゃけ、実際に契約をする先としては、費用面の負担が大きくなるため総額と言った観点からはお勧めはできません。しかし、この2社には大きな強みがあります。

それはなんと言っても、「対面で対応してもらえる」と言うことです。

住宅ローンという人生最大の借金をネットで全て済ましてしまって本当に大丈夫なのだろうか?対面であれば、気が付いた事をすぐに確認できるけれどメールではなかなかうまく意思が伝わらない、電話だとどうにもイメージがわきづらい、そんなときに対面である事の安心感は大きいように思います。

三井住友信託銀行は、三井住友銀行などと違っていまいちなじみのない金融機関のように感じられる方もいらっしゃる課も知れませんが、北海道から鹿児島までの30都道府県に支店を構えているため、アクセスしやすい支店も見つけやすくなっています。支店の検索はこちらから

三井住友信託銀行でフラット35を検討される場合は上記から最寄り支店に問いあせることで対応をしてもらえます。

そして、もう一つ、対面で対応をしてくれるのが私自身もフラット35を借り入れたARUHI(旧SBIモーゲージバンク)になります。

ARUHIは北海道から沖縄県まで全国に160店舗を構えており、ほぼ全国の誰でも利用できる金融機関になっています。

こちらから最寄り店舗を選択して問合せをすることで、まずは来店予約が可能です。

店舗によって違いがあるとは思いますが、フラット35の契約とは別に私自身も利用しましたが借入額が妥当であるかなどに関するファイナンシャルプランナーへの相談会なども行っているため、「相談しながら決めていく」といったことができるようになっています。

これは私が古くさい考えなのかも知れませんが、最終敵意に三井住友信託銀行やARUHIから借り入れるかは別にして対面で話を聞くと言ったことは、面倒でも一度はした方が良いと思っています。

そして、多くの人に「相談する」といったことが住宅ローンでは非常に重要だと思っています。

というのも、ハウスメーカー提携の住宅ローンを使うと多くの場合その相談相手は営業さんになるかと思います。

営業さんは住宅ローンアドバイザーの資格を持っていることが多いとは言え、住宅ローンに関する専門家ではありません。そして、これは決して悪いことではなく、営業さんは「家を売るのが仕事」です。すなわち、「売りたい家の価格=借り入れの妥当額」として示されることが多くあると思います。

営業さんも人間ですから、本当に無理なら無理と言うでしょうが、ちょっと返済が厳しそうだな~と思っても、自分が務めるハウスメーカーの家を売らなければ仕事にならないのです。そのため、「自社が取り扱う住宅が購入できるだけの借入額」がお客さんにとっての妥当な借入額として示してくる可能性が非常に高いと思っています。

そのようなとき、三井住友信託銀行やARUHIに相談することで、別の見方を示してくれる可能性が高くなると思っています。これらの金融機関に勤める人にとっても「お金を貸すこと」が仕事ですから、貸さないという選択肢はありません。しかし、「そのハウスメーカー以外でもっと安いところで借りた方が良いかも知れないのでは?」というアドバイスをすることはしてくれる可能性が高くなります。

すなわち、無理な借り入れをさせるのではなく、自己資金や収入、お客さんの様々な事情を踏まえて「その借入額は少し多すぎるから、もう少し安い方が良いのでは?」というアドバイスがもらえる可能性があります。このアドバイスはハウスメーカーの営業さんからは絶対にもらえないアドバイスです。

ハウスメーカー提携住宅ローンは借入額が妥当であれば、手数料等も安くなることが多く、選択肢として第一候補である事に変わりはありませんが、個人的にはその他の金融機関でも相談をすることを強くお勧めします。

ARUHI(旧SBIモーゲージバンク)に相談する場合は店舗が重要

私自身は現在のARUHIの前身であるSBIモーゲージバンクでフラット35を契約しました。その際感じた注意点を一つだけ書かせていただきます。

ARUHIに限った話ではないとは思うのですが、ARUHIはフランチャイズ形式で店舗が運営されていることが多く、店舗によって相談員の方の知識や能力に大きな開きがあるという印象を持っています。

というのも、私は最初、自宅の最寄りの店舗に相談に行ったのですが、一言で言えば、相手のフラット35に関する知識が非常に不足している印象を感じました。そのため、最寄り店舗では1回だけ相談をして、相談をやめて、実際には自宅から少しはなれた店舗に改めて相談予約を入れて相談に行きました。

その店舗では、私が分からないことをすぐに回答してくれて、しっかりとした対応をしてもらうことができたので、最終的には自宅の最寄り店舗では契約せず、遠方の店舗で契約をすることになりました。

ちなみに、最寄り店舗は間もなく空き家になって潰れてしまっていました。。。。

ということで、ARUHIはフランチャイズ形式で店舗が運営されているため、店舗によって対応が大きく異なることがあるようです。そのため、もしも自分にはあわないと感じたり、ちょっと不安だなと思ったら店舗を変えることをお勧めします。

ただ、これは別にARUHIに限らず、対面である以上どの金融機関でも同じと思います^^

楽天銀行:仕事で時間が取れない方にお勧め

楽天銀行の融資実行手数料は、楽天銀行をフラット35の引き落とし口座とすることを条件として、1.08%です。優良住宅ローンの0.5%と比較すると総支払額は高くなります。

3000万円の借り入れの場合、優良住宅ローンが15万円、楽天銀行だと32.4万円です。

優良住宅ローンは問合せの時間が平日9時から15時である事がネックになり、かつ手数料の安い地銀も使えない方にとって、次善の借入先候補が楽天銀行になります。

楽天銀行の住宅ローンのメリットは、ネットバンクらしく、Skypeなどを使ってビデオで対面しながら、年末年始を除く毎日、朝9時から夜10時まで住宅ローンに関する相談を受け付けているという点になります。

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直接店舗に行くとなると、結構労力を使いますが、ネット越しではあるけれど対面での話をできるというのは良い点と思います。

住宅ローンを検討していると、店舗に行って聞く程じゃないけど、ちょっとよく分からないから確認したいこと、というのは結構たくさん出てきます。

もちろん、ハウスメーカーの営業さんに確認しても良いのですが、営業さんの能力によっては明日まで待ってください、等と言うことも頻発すると思います^^;

その点で、平日、休日関係なくいつでも電話で問合せができる楽天銀行は相談のしやすさでは、これまで紹介した金融機関の中で1番だと思います。

Skypeの使い方がよく分からないと不安に思われる方もいらっしゃる課も知れませんが、スマホがあればスマホで使えるので問題ないと思います^^

ちょっとしたことの相談相手として楽天銀行を候補にしておくというのも良いかも知れません。

楽天銀行の問い合わせ先はこちらからどうぞ

この他、楽天銀行でフラット35を契約すると、ポイントプログラムの上級会員になれる(ハッピープログラム VIP以上)ということをアピールしていますが、これについては期間が2年に限定されていることなどから、あまり考慮に入れる必要はないように思います。

イオン住宅ローンサービス:人によっては最もお得になることも??

イオン住宅ローンサービスはイオンのグループ会社が運営するモーゲージバンクになります。融資実行手数料は1.08%で楽天銀行と同じです。

イオンの店舗で住宅ローン相談会などが開かれているため、対面での相談ができると言った面にメリットがあるのですが、その点よりももの凄いメリットがあるのです。。。。

それは

イオンでの買い物がいつでも5%OFF

という特典です。

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この特典、人によってはもの凄く大きな特典になります。

年間の割引額には上限が設定されているのですが、借入額が

  • 1000万円以上2000万円未満:45万円/年
  • 2000万円以上:90万円/年

となっています。5%割引で45万円の割引を受けるためには、900万円の買い物が必要ですから、現実的には上限に達する事は無いと思います。。。

上記の割引は、イオンだけではなく、マックスバリュ、イオンスーパーセンター、KOHYO、メガマートなど、イオングループの店舗でも割引が適用されます。さらには、イオンのネットスーパーも割引の対象となっています。

日用品や食料品、一部の衣料品などもイオンで買っているというようなケースでは年間100万円以上イオンで使っている方もいらっしゃると思います。

そのようなケースですと年間100万円の購入で5万円が割引となります。5%割引の特典は5年間保証されるため、5年で25万円程度の割引を受けられることになります。

仮に2000万円の住宅ローンを組んだ方であれば、融資実行手数料は21.6万円となります。年間100万円の買い物をイオングループですれば、5年間で25万円の割引を受ける事ができます。

すなわち、融資実行手数料は無料どころかマイナスになるのです。

経験上、家を建てると、小物類だけでも100万円ぐらいの支出にはすぐになってしまいます。。。そういったものをイオンでそろえつつ、日常の買い物もイオンで済ますという方にとっては、イオン住宅ローンサービスはハウスメーカー提携の住宅ローンはもちろん、他のどの金融機関よりも実質の融資実行手数料が安くなるケースがあります。

近所にイオンがあって、日々の買い物をイオンでしているようなご家庭では一度1年間にいくらくらいの買い物をしている下を確認して、イオン住宅ローンサービスを検討されてみることをお勧めします!

借入先検討で考えなくて良いこと

フラット35の借入先を金利、融資実行手数料、おまけ(利便性)の3つの観点で比較検討してきました。

ここで、「もっと比較すべき項目があるのではないか?」と思われる方もいらっしゃると思います。

特に気にされる方が多い項目として

  • 繰り上げ返済手数料
  • 繰り上げ返済の最低額
  • 保証料の有無
  • 返済中のサポート体制

等が挙げられるかと思います。

結論から言うと、上記項目については比較する必要はありません。

何度も書いているように、フラット35は借りた後は住宅金融支援機構がその業務を引き継ぎます。

例えば、「繰り上げ返済手数料無料」というのはどの金融機関でも大きくアピールされていますが、これは金融機関のサービスではなく、フラット35、すなわち住宅金融支援機構のサービスなのです。

フラット35であれば、どの金融機関で契約していようと、ネット経由の繰り上げ返済であれば10万円以上の繰り上げ返済は手数料無料で行えるのです。よって繰り上げ返済手数料も、繰り上げ返済可能最低額も金融機関による違いはありません

返済中の問合せ窓口も原則として住宅金融支援機構の窓口になるため、契約先金融機関は無関係です。そのためサポート体制は金融機関によって差別化されていません。

さらに「保証料無料」もしばしばアピールされていますが、これもフラット35という商品の特徴であって、その金融機関で契約下から保証料が無料になるわけではありません。

以上のように、金融機関のサイトでフラット35に関してアピールされている大半のことはフラット35の特徴であって、金融機関ごとに差別化された特徴ではないという点に注意が必要です。

原則、融資実行手数料+おまけ(ポイントサービス)以外には金融機関ごとの差は無いと思って良いと思います。

 

おわりに:借入先選定をどう行うか?

以上、ハウスメーカー提携はハウスメーカー等によっても条件が異なるため除外して、私自身は総支払額を重視すると言うことから、個人的にフラット35の借入先をお勧め度で言うと、

といった感じかな~と思います。ただし、個別に書いたようにどこか1つの金融機関で完璧、と言うのではなく、それぞれ良い面と悪い面を併せ持っているという点を考慮に入れて、複数の金融機関で検討をしてみるのが良いと思っています。

そして、個人的には総支払額も大切ですが、フラット35の契約過程で多くの人の意見を聞いて、総合的に判断することを強くお勧めします。

全てのフラット35を比較検討するのは大変なので3社程度を選択して比較検討するのが善いと思います。3社を選ぶならば、1つはハウスメーカー提携フラット35、2つめは融資実行手数料の最も安い優良住宅ローン、3つめは対人を売りにしたARUHI(旧SBIモーゲージバンク)か三井住友信託銀行だと思います。

都市銀をはじめとした大半の銀行はフラット35の相談相手として適切ではない

こうやって書くと、「ちょうど変動金利で検討している銀行があるからその銀行で相談してみよう」と思われる方もいらっしゃるかと思います。

しかし、大手の銀行であればあるほど、フラット35の相談相手としては適切ではありません。

何故かというと、これも、銀行が「何を売りたいと思っているのか?」を考えれば自明です。

先に書いたように、銀行の収益は貸し出したお金による利息によって得られています。愛媛銀行や千葉銀行のように積極的にフラット35を取り扱っている銀行もありますが、大半銀行にとって「フラット35は商売にならない商品」と見なされています。

銀行が直接住宅ローンを貸し出せば、何十年もの時間はかかりますが、数百万円の収益をもたらしてくれます。一方で、フラット35は売り切り型の商品のため、貯金口座の獲得というメリットはあるものの、収益としては融資実行手数料が数十万円入ってくるだけの非常に小さな商売となってしまうのです。

そのため、大半の銀行で「フラット35」について聞けば「この低金利時代にわざわざフラット35のような高い金利の住宅ローンを借りる人はほとんどいませんよ。内の住宅ローンであれば団信込みで0.6%以下の金利ですから~」といったように変動金利をお勧めされると思います。

そのため、フラット35に積極的な銀行以外ではフラット35の相談をすることはあまり得策とは言えないように思います。。。

相談とか言って問合せしたら営業電話がめっちゃかかってくるんじゃないの?

家の購入の際に、ちょっと見てみるか、と言う程度の気持ちでハウスメーカーに問合せしたら営業マンがすぐに家に訪ねてきて営業をされた、なんて経験があると思います^^;;

家本体と同様に、住宅ローンも「数千万円の大きな買い物」なのだから、軽い気持ちで問合せなんてしたら営業電話が毎日のようにかかってくるんじゃないかと不安なんだけど、、、と言う方もいらっしゃると思います。

でも、住宅の営業のように毎日のように電話がかかってきたり、まかり間違っても家に来訪して営業をされたり、といったことはフラット35に関してはあり得ません。。。。

というのも、フラット35は借りる側にとっては数千万円の大きな買い物ですが、貸す側にとっては、融資実行手数料数十万円の商品に過ぎないのです。。。。言ってしまえば原付1台買ってもらった程度の商売にしかならない商品なのです。。。。

そのため、フラット35を売る側としては「数を稼ぐこと」こそが最も重要で、契約してくれるかどうかもわからないような問合せをしてくれただけのお客さんに、コストを掛けた営業などしてくる可能性はないのです。。。

そのため、問合せや資料請求をしても、1度くらいは電話がかかってくるかも知れませんが、しつこい営業はまず考えられないので安心して良いかと思います。

以上、フラット35の選び方についてまとめて見ました!フラット35の選択について何かの参考にしていただければ幸いです\(^o^)/それにしても文章長すぎですね。。。

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